ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Ghost Ⅴ: Together, Ghost VI : Locusts / Nine Inch Nails

2020年03月29日 | オルタナティヴ・ロック

 

Ghost Ⅴ: Together / Nine Inch Nails (2020)

Ghost VI : Locusts / Nine Inch Nails (2020)

新型コロナウイルスの影響で外出禁止令が出たり、自宅隔離が要請されている現況に鑑みて、世界中のアーティストが自身のアーカイブを解禁したり、新曲や映像を発表したりして、少しでも自宅に居る時間を楽しめるようにという風潮が拡がっている。今年、ロックの殿堂「Rock & Roll Hall Of Fame」(※新型コロナウイルスの影響で延期)で表彰される予定だったナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails, NIN)のトレント・レズナー(Trent Reznor)がフリー・ダウンロード(つまり無料)で新作アルバム2作品を発表した。2008年にリリースされたインストゥルメンタル作品「Ghosts I-IV」の続編で、「Ghost Ⅴ: Together」「Ghost VI : Locusts」の2作品。しかもMP3とはいえ48KHzの高音質での提供。さすが。トレントのメッセージには、

”友人たちへ、刻々とニュースが厳しくなっているなか、失望のどん底と稀な希望との間で揺れ動いている自分たちがいると思う。何度も刻々と事態が変わっている。一人でいるほうが好きな反社会的なタイプとして自認しているとしても、繋がりの力と必要性を認める状況となっている”

”聴くにしても考えるにしても創作するにしても音楽はいいことも悪いことも乗り越える手助けをしてくれる。そのことを念頭に、正気を保つ手段として夜を徹して『ゴースツ』のアルバムを完成させることに決めたんだ”(NME Japanより抜粋)

とある。”一人でいるほうが好きな反社会的なタイプ”と自己分析もしっかりしている(笑)。イギリス人のアッティカス・ロス(Atticus Ross)も以前と同様に参加。映画「The Social Network」の頃からのコラボはずっと続いていて、映画やドラマのサントラ作品の発表が続いている。ここのところナイン・インチ・ネイルズはもう完全に2人のユニットと化しているようだ。よほどウマが合うんだろうナ、この2人。

肝心の音楽だが、サウンドはそのまま「Ghosts I-IV」の続編といった感じ。全編インストで陰陰滅滅とした静かな音楽が流れ続ける。もちろん聴きようによっては心安らかになる場面や展開もあるにはあるのだが、彼の奏でるピアノの音はどうしても自分には狂気を連想させるし、”新型コロナウイルス”というテーマがあったのかどうかは知らないが、自分にはまるで破滅に向かう世界へのサウンドトラックといった感じに聴こえる。とてもここに希望を見出すことは出来ない。もちろんこれをロックとは定義付け出来ない。こういった繊細で静寂(そして狂気)を感じさせる音楽は、ある意味トレントの真骨頂とも言えるのでアクセント的には嫌いではないのだが、「Ghosts I-IV」の頃からこんなんばっかになってしまった感もあるので、これ全編(約150分)が好きか嫌いかと問われれば「好きではない」と言ってしまうだろうナ。

フリーダウンロード(¥0) 

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