月刊「NHK囲碁講座」に「桂馬の両アタリ」という将棋の先崎学八段が、囲碁の話題を載せているコラムがあります。
先崎八段の奥様は女流囲碁棋士の穂坂繭三段ということで、囲碁雑誌に載っているのでしょう。
-以下、今月の9月号「悔しくない」より抜粋ー
あれほど負けず嫌いだった私が、ネット碁だと負けても全然悔しくない。
理由を考えてみるに、もちろん顔が見えないということもあるのだが、ひとつには、集中度に差があるからではないかと思う。
その差が負けた後の感覚の違いに出てくるような気がするのである。悔しさという感じは、集中した、心の張りがプツンと切れたことからくる要素が大きいように感じるのだ。
負けたという事実よりも、負けるまでに至る過程、心理の動きがあの「盤を引っ繰り返したくなる」感覚を生むのだと思う。
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私もほとんど毎日のようにネット碁を楽しんでいますが、確かに悔しさの度合いは生碁(対面碁)にくらべ軽いように思います。
これはゲームに近い感覚からくるものかもしれません。
でも先崎八段の「負けても全然悔しくない」ということはありませんね。
半目負けとか、初心者並みのポカで負けた時は「パソコンを引っ繰り返したくなる」誘惑に襲われます。