天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
画像をクリックすると拡大されます。

第32期名人戦第1局/高尾名人が先勝

2007-09-12 20:57:45 | プロ棋戦

 第32期囲碁名人戦七番勝負の第1局は9月6日から広島市で打たれ、高尾紳路名人(30)が挑戦者の張栩碁聖(27)に黒番4目半勝ちした。第2局は19、20の両日、長野県松本市で。
 持ち味どおりの手厚い打ち回しをみせた名人が、中央を目いっぱいに囲って開幕戦を制した。
 解説の片岡聡九段は「両者の持ち味がよく出た、見応えある一戦でした。黒模様のまとまり具合が勝負でしたが、挑戦者に少し判断ミスがあったようです」と話した。

<高尾名人の話>
 上辺で白にうまく打たれ自信はなかった。左下黒のオサエを打てて、少し残ると思いました。

<張挑戦者の話>
 1日目の最後で、簡単に決めすぎた。もっと踏み込む手があったかもしれない。ちょっと楽観もあった。

       (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

昨年と名人・挑戦者の立場が入れ替わった今シリーズ、どちらもこの一戦にかける意気込みは並大抵のことではないと思います。

結果は高尾名人が冷静に黒模様をまとめ、さいさきのよい一勝をあげました。
重厚戦車:高尾名人の焦らず、ぶれない、堂々とした打ち回しが冴えましたね。
一方の実利で先行した張挑戦者、名人の重い腰に寄り切られたようです。

「週間碁/依田の目」より抜粋
高尾さんは見た目は頭がよさそうではない。しかし本当は大変な頭脳の持ち主です。碁界では一番かもしれません。かねがねそうではないかとにらんでいたけれど、本因坊戦で顔を合わせてみて痛感させられました。
 -以下略-

上記のコメント、依田九段らしい意表をついた感想ですね。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は広島市中区の広島全日空ホテル。
前夜祭の高尾名人の挨拶、
「広島市に来たのは初めて。先ほど原爆ドームを見てきて原爆の悲惨さを改めて知った。こうして碁を打てることは本当に幸せなことと実感した・・・」
 -以下略-

世界で「ヒロシマ」の存在は注目されていますが、「戦争=悪」という真理がなぜ浸透しないのでしょうか・・・・。

広島を舞台にヤクザの抗争をテーマにした「仁義なき戦い」という映画がありました。
「被爆の街」と「ヤクザ抗争の街」、何か不思議なエネルギーを感じたものでした。

コメント