第12回三星火災杯世界オープン選手権が9月4、6日に1、2回戦が行われた。ベスト8進出は、韓国4、中国4、日本勢は1回戦で姿を消した。
(週間碁より抜粋)
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本戦出場32人の内訳は韓国19、中国9、日本4。日本選手はシードの山下敬吾棋聖、二十五世本因坊治勲、河野臨天元と予選から勝ち上がった黄翊祖七段の4人でしたが、1回戦で全員敗退という結果でした。
2回戦に勝ち上がった16人の内訳は韓国12、中国4。ベスト8では韓国4、中国4と中国勢が善戦しています。
昨今の国際棋戦の勢力図は本棋戦が象徴している状況のようです。
日本の囲碁ファンからは日本勢の不甲斐なさに、投げやりな感想も聞こえてきます。
しかし勝負に栄枯盛衰はつきもの、囲碁ファンの質量と熱気が失地回復になると期待しています。
囲碁を単なる頭脳ゲームではなく、文化・伝統ととらえる日本の感性を大切にしてほしいものです。
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先々週、NHK日曜朝の「経済羅針盤」という番組で韓国サムスン(三星)グループのサムスン電子CEOがインタビューに登場していました。
サムスン電子は半導体のDRAMや液晶モニター、携帯電話などITから家電まで様々な製品を生産し世界を代表する企業になっているそうです。
半導体のメモリー分野で当時シェアを独占していた日本メーカーが不況期に投資を逡巡している時、サムスンは大胆な投資で成功し日本を追い越していきました。
日本の経営トップにもう少し決断力があればと悔やまれますが、ビジネスも栄枯盛衰でしょうか。
日・中・韓、それぞれの文化・伝統・流儀があります。時代を先取りしていくことは重要ですが、ぶれない精神性が評価されるのではないかと思っています。