河野臨天元に山下敬吾棋聖が挑戦していた、第33期天元戦挑戦手合五番勝負の第4局が、12月6日に兵庫県淡路市で行われ、白番の河野天元が中押しで山下挑戦者をくだし、通算3勝1敗で3連覇を達成した。 3期連続の同じ顔合わせとなった今期天元戦も河野が返り討ち、 山下の雪辱はならなかった。
(日本棋院HPより抜粋)
■河野が逃げ切り 山下、後半粘り届かず
中盤でリードを奪った河野は、終盤に入って山下に追い上げられたが、冷静な打ち回しで逆転を許さなかった。終局直後は硬い表情で感想戦を進めたが、次第に笑顔も浮かび始めた。
<河野臨天元の話>
黒に地で頑張られましたが、中央の黒にヨリツキが利いて損を取り戻しました。三連覇という実感はまだありません。第二局の苦しい碁を拾ったのが大きかったと思います。
<山下敬吾棋聖・王座の話>
上辺(黒77)から荒らしに行きましたが、ひどくいじめられてしまいました。シリーズ全体で後悔する手が多くありましたが、全力を出したので仕方ないです。
(神戸新聞より抜粋)
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豪腕・山下棋聖を相手に3年連続で本棋戦を制した河野天元、力負けすることなく戦い抜いた勝負根性はなかなかのものです。韓国・中国戦でもこの粘りの戦闘力を発揮し実績を残してほしいと思います。
九月には、自身初となる囲碁の本「攻め合い力養成トレーニング」を出版したそうです。
いままでどちらかといえば「静」のイメージでしたが、最近は「動の河野」へ変身のようです。
一方、3年連続対決で連敗の山下棋聖、残念でした。相性のようなものがあるのでしょうか。
今年の山下棋聖・王座の戦績は二冠を防衛、十段・天元の挑戦手合は失敗とタイトル戦では五割でしたが、名人リーグでは1勝7敗で陥落とイマイチのようでした。
来年早々からは趙治勲十段との棋聖戦7番勝負、どんな戦いになるか楽しみです。
本シリーズ全4局はすべて中押し勝負で、先の王座戦全4局もすべて中押し勝負でした。
最近は以前にくらべて中押し勝負が増えているようですが、持ち時間短縮や世界棋戦の影響でしょうか。
また布石も「かかりっ放し」や「手抜き」なども多く、アマの手本となるパターンが少なくなっているように思えます。
この傾向、アマにとってどうなんでしょう・・・・。
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今回の対局地は兵庫県淡路市の「ウェスティンホテル淡路」。
本州と淡路島をつなぐ淡路海峡大橋が開通(1998年4月)してもう10年近くになるんですね。それまで淡路島への交通はフェリーなど海路しかなかったのが、道路で結ばれることになり便利さは何倍にもなったことでしょう。
「便利さ・快適さ」を求めて道路、鉄道、橋、トンネルなどが次々と造られその恩恵に浴してきましたが、都市集中や地方の衰退などマイナスの部分もみえてきました。
「快適さとは・・・?」、もう一度見直す時期かもしれませんね。