第36期碁聖戦5番勝負の第5局は8月29日、大阪市の関西棋院で打たれ、羽根九段が白番中押し勝ちし、対戦成績3勝2敗で初の碁聖位を獲得した。今期の羽根新碁聖は初戦から2連敗を喫したが、そこから一気に3連勝、無冠を返上した。
坂井前碁聖は初戦から2連勝で初防衛が見えていたが、あと1勝が遠かった。
<羽根直樹新碁聖の話>
途中は苦しかったが、黒模様にうまく入れたのでよくなりました。5番勝負は一局一局、丁寧にしっかり打てました。
<坂井秀至前碁聖の話>
中盤ではっきりいいと思ったが、うまくまとめきれませんでした。本局は悔いが残りました。
(共同通信より抜粋)
「羽根新碁聖、連敗からの逆転劇」、「坂井、後悔のツケ」
(週刊碁より)
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碁聖位奪取の羽根新碁聖、本局は中盤までは苦戦の様子でしたが、相手の失着をとらえ逆転勝利のようでした。
タイトル失冠の坂井前碁聖、タイトル戦の心理的重圧がミスを誘発したのでしょうか。
本シリーズ、羽根新碁聖の2連敗から3連勝と劇的なタイトル奪取で終わりました。
羽根新碁聖はカド番(あと1敗で挑戦手合敗退)での成績が通算14勝4敗と驚異的な勝率を残しており、「カド番の勝負師」と云われているそうです。
追い詰められた状態での勝負強さはどこからくるのでしょう。精神的に相当タフなんでしょうね。
碁聖位が関西から中部に移り、7大タイトルの内訳は関東3(張栩・棋聖/王座、山下・本因坊)、関西3(井山・名人/十段、結城・天元)、中部1(羽根・碁聖)となりました。
タイトルの分散により、今後はより競争意識が高まるのではないでしょうか。