第38期名人戦七番勝負第5局が10月16日、17日に山梨県甲府市で行われた。結果は黒番の井山棋聖が山下名人に4目半勝ちをおさめ、シリーズ成績4勝1敗で名人位を奪取した。
井山は3期ぶり3度目の名人就位。棋聖・本因坊・天元・王座・碁聖とあわせて自身2度目の六冠を達成した。また、棋聖・名人・本因坊を同時に獲得する「大三冠」を達成。「大三冠」達成は二十五世本因坊治勲以来史上2人目。山下の名人3連覇は成らなかった。
(日本棋院HPより抜粋)
「井山大三冠 名人復冠、再度6冠」 「山下、白模様とともに消えた名人」
(週刊碁見出しより)
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第5局後半の局面では山下名人優勢との評でしたが、井山棋聖の勝負手が功を奏して名人位を奪取。これで井山・新名人は大三冠と6冠を手中に納めました。
無冠となった山下・前名人、勝負の後半でポッキリと折れるような敗戦が目につきました。
井山6冠の強さは何でしょう。このシリーズでは劣勢になっても「いやらしい手」で相手を心理的に追い込むような迫力があったように思います。
山下・前名人も構想や読みでは負けていなかったと思うのですが、勝負のアヤとかメンタル面で押されたような気がします。
マスコミ的には「井山、大三冠・2度目の6冠」の見出しで大歓迎でしょうが、個人的には山下さんを応援していました。
井山さんはオールラウンドの優等生タイプで欠点が見当たらないんですね。
一方の山下さんは本因坊・丈和のような力碁で、ワクワク感があります。
相撲の「柏鵬時代」に例えると、井山さんは大鵬、山下さんは柏戸のイメージでしょうか・・・
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今回の対局地は山梨県甲府市の湯村温泉「常磐ホテル」。囲碁のタイトル戦でいくつもの大勝負が繰り広げられました。
湯村温泉協会HPの「常磐ホテル」案内では「天皇陛下御宿泊の和風ホテル。松を基調とし、日本庭園がある純和風旅館」とあります。
「ホテル」なの?「旅館」なの?、どうもこの区別はムズなようで・・・
山梨県は富士山の「世界遺産登録」で意気盛んなようですね。
富士山は「表富士」と「裏富士」があり、静岡側が表で山梨側が裏だそうです。異論もあるようですが・・・
ただ観光地や登山基地としては山梨側が優勢のようです。
私的には「見るのは駿河(静岡)、遊ぶのは甲斐(山梨)」のイメージですがどうでしょう・・・