こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

旅立ちは誰しも一人で

2012年12月06日 | 日々思うこと、考えること
歌舞伎役者の中村勘三郎さんが昨日亡くなられた。心からご冥福をお祈り申し上げたい。
生まれつき無粋なコロ健、歌舞伎をじかに観たのは5回ほど。でも、最近はWOWWOWの平成中村座を月に一度は観て、機会を見つけていってみたいと思っていた。新聞、テレビの報道でも歌舞伎会の次世代を切り拓きつつあった勘三郎さんの、57歳という早すぎる逝去を悔やむ声にあふれていた。

先日、亡くなられた歌手の桑名正博さんは私より10歳上の59歳だった。かっこ良く歌う姿が印象的であった。
10歳の年の差なんて、ごくわずかで、自分もいつ重い病気に罹って、亡くなってしまうかなどわからないものだと痛感する。
病気ならずとも、下敷きになった車三台に乗っていた9人が亡くなられたという、中央高速道路笹子トンネルの天井崩落事故という痛ましい事故のように、いつなんどき、死が訪れてもおかしくはない。北朝鮮が準備を進めているという、ミサイルにしても地上のどこに落ちてくるのかわからない。
人を含めて生きているもの、みな死に向かって生きているということはよく知っているし、その長さに差があることも知っている。

ここのところ、多くの訃報に接して、つよく思うようになったことがある。
みんな、死ぬ時は一人なんだ、ということ。
このことって、あまり気にしていなかった。

でも、ふと、残された人のことを思ったら、死んでいく人のさびしさが忍ばれた。

私が死ぬ時は、一人で死んでいくだろうし、ほかの誰もみな、死ぬ時は一人だ。
ミサイルをうちこまれて、その場にいる人が同時に殺されるからといって、その場にいる人がみな、一緒に死ぬという意味にはならない。

人間は一人で生まれてきて、一人で旅立っていく。

だからこそ、死に行く人のことは優しく送ってあげなくてはいけない。


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