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こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

後進に育てられつつ

2013年01月16日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
どうも最近、仕事がうまくいかない。
診断、研究、発表。どれも、いま一つだ。

なぜだろうと、原因を考えてみた。
今の職場に移ってから10年、最初のうちは周りに指導してくれるよい臨床医がいた。そのうち、何人かはさらにステップアップしていったり、開業したりいろいろな道を選んで私の近くから消えた。今でも周りには腕のいい臨床医は何人もいるが、彼らは一緒に仕事をする仲間だ。

そして、いつのまにか若い病理医さらには臨床医が私たち病理診断科で勉強するようになった。
不肖コロ健が、それなりに後進の指導をしている。そうすると、いろいろなことをせねばならない。時間を取られるし、費やす労力も並大抵のものではない。
おまけに、私の知識や技術を与えるばかり、手品のタネも明かせばあとは続かなくなる。

ほかにもいろいろ理由はあろうが、このことも不調の原因の一つかもしれない。

などと、思ったりしていたのだが、後進の指導とは、果たしてそういうことかと改めてよく考えてみたら、大間違いだった。

教えることが、何よりの勉強、というが、まさにその通り。
伸びきったゴムのようだった私の頭は彼らのおかげでずいぶんと活性化されている。彼らは、私に十分恩返しをしてくれていた。
私こそが、育てられていたのだ。
不調の原因の一つだなんて、大間違い。私がなんとかやっているのは、彼らの活力のおかげだった。

日本では熟練の技術の継承ができなくなることが問題となっている。
後進への指導の必要性が声高に言われているが、解決には程遠いようだ。
素晴らしい技術をお墓まで持っていくことはできない。私にしても、微々たるものだが、教えてもらおうという人がいる限りは、それにこたえてあげたい。

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