こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

粉砂糖をかぶりながら

2013年01月28日 | 日々思うこと、考えること
夜半から明け方にかけて、関東地方に雪が降った。横須賀線の車窓からもところどころでチラつく雪が見えたが、都内の駅で降りたときにはすっかり止んでいた。

歩いていると、あちこちに粉砂糖が振られたように雪が残っていて綺麗だ。うっすらと降っただけで、朝日の当たる道ではすでに雪がずいぶんと溶けてしまっているが、日陰に降ったものや先々週の大雪の溶け残った雪の塊の上にあるものは溶けずに残っている。
雪の上に残っているものなどは、白い雪に着いてしまった汚れを覆い隠しているように見える。

すべてのものが、こうやって時間とともに変化していく。
土ぼこりで薄汚れてしまった雪の塊でも新たな雪に覆われたら、その汚れは見えなくなる。そして、新たな雪、古い雪はいつの間にか一塊となって、溶けていく。

一つ一つの事象は千変万化であるように見えて、実のところは、すべての事象が一方向にしか進まないたった一つの時間軸の上に乗っかっている。そして、すべての事象は遠からずたった一つの事象に集束されていくであろう。
まるで、ケーキの上に綺麗に振られた粉砂糖が、ケーキを食べる段となれば、スポンジもなにも一緒に口の中に放り込まれ、それらは渾然一体となって味わわれていくのと同じようだ。

帰りの夜道、月明かりを頼りに見てみると、わずかに道路を覆っていた雪は跡形もなくなっていたが、雪塊の雪は残って、一つになっているようにみえた。

人生、こんなものだろう。粉砂糖をいくらか多くかぶってきれいそうに見えても、本質は変わらないし、その逆もまた、しかり、か。

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