キーワード=低賃金
「改正介護保険法と日本の介護保障」ー国際比較の視点で
考えるー「自治総研2006年11月号」斉藤弥生
をテキストにして
斉藤論文の骨子を勝手を推測させていただくと、
日本には、高齢者の介護を担うべく介護保険制度が誕生し、
2005年に改正されたが、諸外国の介護保障に比べて、
経費費用支出が少ない。
国によって介護費用に差がある(日本が安くできるという理由はない)
とは考えられない。介護費用の少なさを何で補っているのだろうか。
いや補えていないのではないか。
諸外国との比較では、日本の高齢者の貧困が明らかになる。
また「脱家族化」も遅れている。また、施設での個室化の遅れも目立つ。
すなわち、介護保険の理念からは程遠い現場となっているということになる。
そして各国の政策(知るべき)を紹介し今後の方向性を示唆する。
斉藤氏がこの論文の中で触れられていない大きな課題に福祉専門職の
処遇がある。
2005年に改正以降、まず訪問介護事業者が厳しい状況に陥っている。
ホームヘルパーの数を昨年削減した事業所が多いが、
その対応の悪さからか人材不足に落ちいっている。
もちろん、低賃金や雇用契約や業務の厳しさから、嫌気をさされていると
いうこともある。施設の職員の条件も悪い。社会福祉士も同様だ。
社会福祉士会も、低賃金の実態を調査をしている。
介護保険制度は、準市場を形成しているが、各事業所とも経費のうち、
人件費率の高さが悩みの種だ(人件費は経費ではないが)。
組織存続のためには、低く抑えざるをえない。
もちろん、最低基準の人員配置をクリアするのにやっきだ。
介護職員の給与平均は月額21万円程度である。
全産業の平均は31万円程度といわれている
(手元に資料を探したが見当たらないので、正確な数字は後日)。
大体、3分の2と思ったらいい。商売でいえば卸価格だ。
この給料の低さの大きな原因に、介護保険制度の仕組みがある。
例えば、ケアマネの給与平均は比較的高く25万円程度といわれているが、
この金額は、報酬単価が決まっている以上は、年齢が上がり経験が増しても
上がりようがない。
経験を積んでより多くの利用者と契約しようとしても35件制限がある。
施設の職員やヘルパーに関してもサービス単価が決まっている以上、
同様である。キャリアが評価されない仕組みになっている。
介護職員が10年働けば給与は据え置きにならざるをえない。
事業者としては30歳の職員2名の給与で新卒3名を雇えるなら、
そのほうがいいと考える。
介護職員に若者が多い理由である。
介護職には将来が見えない。
一方、この給与体系と対極にあるのが、公務員の給与だ。
公務員は、民間と違い定年の60歳まで上がり続ける稀有の給与体系を
持っている。
その年功序列給与の中でも優遇されている国家公務員である中央官庁の
役人が自らの給与体系と全くことなる給与を介護保険サービス従業者に
押しつけているのである。
こんな反道徳(!)的なことはない。
労働者の権利を守るべき立場の厚生「労働」省自体が、
福祉専門職の低待遇を作り出している。
この点からみても、厚生と労働が同じ省庁ということでは、
論争にさえならない。
守ってくれる行政はないと思わなくてならない。
今、この介護職員の処遇をよくしようと、国会の中で
孤軍奮闘している議員がいる。
党内でも、ほとんど関心のないこの問題が日の目をみるのだろうか。
テロ新法の影で、地道に働いている議員もいるのだ。
「改正介護保険法と日本の介護保障」ー国際比較の視点で
考えるー「自治総研2006年11月号」斉藤弥生
をテキストにして
斉藤論文の骨子を勝手を推測させていただくと、
日本には、高齢者の介護を担うべく介護保険制度が誕生し、
2005年に改正されたが、諸外国の介護保障に比べて、
経費費用支出が少ない。
国によって介護費用に差がある(日本が安くできるという理由はない)
とは考えられない。介護費用の少なさを何で補っているのだろうか。
いや補えていないのではないか。
諸外国との比較では、日本の高齢者の貧困が明らかになる。
また「脱家族化」も遅れている。また、施設での個室化の遅れも目立つ。
すなわち、介護保険の理念からは程遠い現場となっているということになる。
そして各国の政策(知るべき)を紹介し今後の方向性を示唆する。
斉藤氏がこの論文の中で触れられていない大きな課題に福祉専門職の
処遇がある。
2005年に改正以降、まず訪問介護事業者が厳しい状況に陥っている。
ホームヘルパーの数を昨年削減した事業所が多いが、
その対応の悪さからか人材不足に落ちいっている。
もちろん、低賃金や雇用契約や業務の厳しさから、嫌気をさされていると
いうこともある。施設の職員の条件も悪い。社会福祉士も同様だ。
社会福祉士会も、低賃金の実態を調査をしている。
介護保険制度は、準市場を形成しているが、各事業所とも経費のうち、
人件費率の高さが悩みの種だ(人件費は経費ではないが)。
組織存続のためには、低く抑えざるをえない。
もちろん、最低基準の人員配置をクリアするのにやっきだ。
介護職員の給与平均は月額21万円程度である。
全産業の平均は31万円程度といわれている
(手元に資料を探したが見当たらないので、正確な数字は後日)。
大体、3分の2と思ったらいい。商売でいえば卸価格だ。
この給料の低さの大きな原因に、介護保険制度の仕組みがある。
例えば、ケアマネの給与平均は比較的高く25万円程度といわれているが、
この金額は、報酬単価が決まっている以上は、年齢が上がり経験が増しても
上がりようがない。
経験を積んでより多くの利用者と契約しようとしても35件制限がある。
施設の職員やヘルパーに関してもサービス単価が決まっている以上、
同様である。キャリアが評価されない仕組みになっている。
介護職員が10年働けば給与は据え置きにならざるをえない。
事業者としては30歳の職員2名の給与で新卒3名を雇えるなら、
そのほうがいいと考える。
介護職員に若者が多い理由である。
介護職には将来が見えない。
一方、この給与体系と対極にあるのが、公務員の給与だ。
公務員は、民間と違い定年の60歳まで上がり続ける稀有の給与体系を
持っている。
その年功序列給与の中でも優遇されている国家公務員である中央官庁の
役人が自らの給与体系と全くことなる給与を介護保険サービス従業者に
押しつけているのである。
こんな反道徳(!)的なことはない。
労働者の権利を守るべき立場の厚生「労働」省自体が、
福祉専門職の低待遇を作り出している。
この点からみても、厚生と労働が同じ省庁ということでは、
論争にさえならない。
守ってくれる行政はないと思わなくてならない。
今、この介護職員の処遇をよくしようと、国会の中で
孤軍奮闘している議員がいる。
党内でも、ほとんど関心のないこの問題が日の目をみるのだろうか。
テロ新法の影で、地道に働いている議員もいるのだ。