北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北海道フォトコンベンション2005に行く

2005-12-18 23:11:58 | Weblog
 札幌では天気予報が脅かすほどには荒天にならなかったのですが、道内各地の峠では通行止めが相次いでいました。道路を管理する人たちに対する感謝を忘れたくないものです。

 さて今日は
■フォトコンベンション2005 の1本です。

【フォトコンベンション2005】
 朝から雪かきをしたり年賀状の名簿整理をしていたのだが、午後3時頃になって、フォトコンベンション2005への案内状をいただいていた事を思い出して、妻と行ってみる事にした。

 案内をいただいていたのは写真家にして女満別町役場のスーパー公務員である山本さんからで、以前にも札幌で開催された写真展に案内をいただいたのだが行けずに失礼していたのだ。

 今回もわざわざ女満別からこのために三日間も来てくれているというのに顔一つ出さないのでは年は越せないと心に決めて会場の札幌コンベンションセンターへと向かった。

 この通称フォトコンとは、2002年9月に「コンベンション企画コンペ」で最優秀賞を受賞したもので、今年が三回目ながら写真関係のイベントとしては道内で一番大きなものだそうだ。

 主催者による開催の趣旨は「風景や景観といったいわゆるロケーションは、地域振興の資源です。そしてこれを訴求・活性化させる手段として写真に勝るものはありません。このようなねらいから『写真が北海道の未来を拓く』をテーマとし、写真を通してロケーションに親しむ市民・道民のためのイベント、プロとアマを問わない幅広いカメラマンの交流の場として、『北海道フォトコンベンション』が開催されました」とある。

 会場には三時半頃に到着したが、大きな会場いっぱいに写真ブースが開かれたり、アマチュアの作品などが展示されていて、全道一の規模のイベントだと言う事がよく分かる。

 案内をくれた山本さんはすぐに見つかって挨拶をすると喜んで、女満別町のブースに置いてある御自分の作品を説明してくれたくれた。確かに写真も素晴らしいが、妻とともにその写真にいたる苦労談を聞いているのもまた面白くて、映像の後ろに作者山本さんの人間味が感じられる。

「僕は(色を強調する)フィルターは使わないんです。やっぱりそのものが出す色を捉えたいから。回りにはきれいな風景がたくさんあるんですよ」
「このイベントには全道の写真家が集まりますから、お名前だけ存じていてこの会場で初めて会うという方も多いんです。三日間いますけど、毎日やっぱり夜は飲みに行って写真談義に花が咲くんですよ」と楽しそうだが、ご自身の経費負担だって相当なものだろう。

 一生懸命自分の才能を精一杯使って地域を盛り上げようとする姿には敬服するばかりである。ご苦労様でした。

    *   *   *   * 

 会場には、風景づくりとまちづくりを融合した活動のシーニックバイウェイ北海道でもブースを取ってシーニック・カフェと称してコーヒーのサービスを行っていた。
 こういう地道な活動を支えてくれているのはリソースセンターの若手たちである。こういう姿をしっかりと目に焼き付けておくことも事業推進者の責任だ。ご苦労様でした。

 シーニックバイウェイでは各ルートの風景コーナーが設けられていたが、大雪~富良野ルートからはK先生が来てくださっていて、いろいろと説明をしてくださった。
 この大雪~富良野ルートでは「残したくない風景」という写真コーナーがあってなかなか面白かった。

「確かこのルート回りで残したくない風景を募集したり調査したりされたんですよね?」
「ええ、募集をかけてみたんですけど写真家の方は汚い風景の写真を撮ることに慣れていなくてあまり集まりませんでした」とK先生は苦笑する。

 実際のところ写真家マインドというやつは良い要素も悪い要素もごちゃまぜの風景から良い要素だけをいかに切り取るか、ということに力を注ぐものなのだ。だから悪い風景なんかそこいらに当たり前にあるもので、敢えて強調する必要すらないのかもしれないな。

    *   *   *   * 

 こうしてみると、確かに北海道には写真心を刺激する風景に充ち満ちている。しかし同じ対象をより美しく表現するには長い時間をかけた修行が必要なのに違いない。

 デジタルカメラの性能がどんどん上がり、値段も下がって入手しやすくなったとしても、映像を撮るのは人間だという事。風景を探して、粘って、感性を磨く。

 風景も原石は転がっているけれど、それを磨くのは人間なのだ。たくさんの写真を見てそう思った。 

コメント (2)
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