北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

よし、上海で居酒屋をやろうか

2010-11-21 21:43:59 | Weblog
 明日の講演会の講師として、対中国ビジネスの専門家をお二人お招きしたので今夜はおもてなしの宴会。

 講師の一人は日本人で、9月に上海へ行った際にいろいろと教えていただいたOさん。そしてもう一人は上海政府の旅行部門にお勤めで、日本留学の経験もあり日本語がペラペラのKさん。

 Kさんは共産党青年団(共青団)出身で将来の中国を担うエリート。まだ39歳ながら様々な仕事を精力的にこなしており、Oさんとは十年来の付き合い。

 Kさんの奥さまはイギリス留学の経験があって今は上海特別区の中の一つの区の副区長ということなので、まさに夫婦そろって中国指導層に属している超エリート夫妻なのです。こんな人たちがごろごろして富裕層となっているのが中国の現実なんですな。

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 Oさんは月に何度も上海を往復していて、現地で日本の様々な地域からのビジネスの手伝いもしています。しかしもともと北海道出身のOさんとしては、北海道にシンパシーがあって、他の地域の熱心な取り組みを見るにつけ「北海道はなぜこんなに感覚が鈍いのですかね」と不満も多いよう。

「北海道の対極は九州ですよ。あそこはJR九州が中心となって九州観光推進機構をつくり、知事を筆頭に各県での誘致活動もありながら九州一円でエリアブランドを確立しようとしています。で、この機構では上海に現地事務所を作りました。現地事務所は北海道でも作りました。まあこれはいいでしょう。で、次に九州が何をすると思いますか?」
「うーん、なんでしょう。物産展ではありきたりか…」

「物産展なんてやらないよりはましでしょうけれども、いくらやったところでビジネスになかなかつながりません。九州がやろうとしているのは上海に居酒屋を作るなんですよ」
「居酒屋ですか…?それは九州の物産を売るということですか」

「そうです。上海の富裕層は日本の食材が安心で美味しいというのはもう常識になっていますから、お客は来ます。そこで九州各県の名物や産物を売ることでアンテナショップとしてお客さんの反応を見ることもできるし、九州のブランドを刷り込むことだってできます。また居酒屋経営で事務所経費のいくばくかを儲けたっていいでしょう。実に具体的なビジネス活動です。ところがこういうことを北海道はやろうとしないんです」
「やれば売れるでしょうね」

「もちろんです。北海道の食材がおいしいことは知れ渡っているし海産物の料理も楽しみです。偽物の日本居酒屋だって大繁盛しているくらいです」
「なるほど」

「中国ではビジネスをするパートナーを慎重に選ぶ必要がありますが、今日ご一緒のKさんは最高の一人ですからね。いくらでもお手伝いできますよ」


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 北海道は九州と四国を足したのと同じ面積を有していながら、これを一人の知事で担当していることになります。逆に言うと、九州と四国で11人の知事さんがいてそれぞれ自分のエリアを売り込もうと必死になっていることに比べると、道内各エリア個別の売り込み努力が弱いとも言えそうです。

 上海での居酒屋進出を北海道がやらないんだったら、地域で有志が出資してやってしまおうか、という大きな話も出ました。

 何もしなければ地方都市は沈没するのみです。中国は尖閣問題やレアアースなど、一面だけでとらえることのできない多様性を持った国ですから、慎重にターゲットを見据えた戦略的な攻めをしてゆくべきで、地方都市自らの頑張りも試されているようです。

 一口百万円で100口で一億円の資本で居酒屋経営。いいんでないかい!



【九州観光推進機構】
 http://www.welcomekyushu.jp/about/
 
コメント (2)
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