今日はコミュニティハウス冬月荘で時間を過ごしてきました。
冬月荘とは、もともとある優良企業の福利厚生施設だったのですが、売却されようとしたときにNPO法人地域生活支援ネットワークサロンが購入して地域の集いの場として運営をしているものです。
この冬月荘では月の第2、第4土曜日に、中学3年生を中心とした学習支援「Zっと!Scrum(通称:スクラム)」を実施しています。この事業は中学生が集いながら塾の代わりにチューターと呼ぶ周りの人たちが受験勉強やイベントを通してさまざまな体験をしていこうというもの。
現在、チューターとしては地域の大人(中年男性、大学教員、飲食店オーナーなど)や学生(大学院生、大学生、高校生など)がチューターとして活躍しています。
私も新しいチューターとして自己紹介。「ギバちゃんに似ていると言われるんだけど…」と言うと結構受けてました(笑)
※ ※ ※ ※ ※
【子供たちのたまり場として】
このスクラムという事業、もともとは塾へ通えない子供たちのたまり場として始まったものでしたが、子供たちが集まってくることで様々な問題が明らかになったり解決に結びついたりして、困りごとと解決が日々発生する素敵な現場になっています。
この事業ももう4期目となりました。最初に始まった1期目を卒業して高校へ通っているOBの中にも、ここへ遊びに来て後輩に勉強を教えたり、仲間たちと語り合ったりしている子たちもいます。
担当のTさんによると、スクラムは中学3年生を対象に募集しているので中学生は常に新しい子たちが来て、そのふるまい方は年によって変化が大きいのだそう。
最初の時は乱暴な子がいたりしてほとんど勉強などはしなかったとか。ところが今年はみな勉強が大好きで、チューターと一対一で一緒に勉強をする子が多いのだとか。でも見ている限り、お昼の後には席を立っておしゃべりに興じる子たちもいて、まだまだ遊びたい盛りだという感じです。
「今はまだ火がついていませんからね。年が明けて受験が間近に感じられればもっと真剣みが増しますよ」とはあるチューターの弁。
「年明けには回数が増えるんですか?」
「今でも火曜と金曜の16時~18時にここで勉強の場をもって、さらに月2回の土曜日にやっているのがスクラムです。年明けの冬休み期間中は1月5日から10日間くらい毎日ぶっ続けでやりますよ」
※ ※ ※ ※ ※
事業の担当者によると、昔は全然人と会話するのが嫌いだった女の子がすっかり変わって笑顔のカワイイ娘になっていたりもします。
「何か問題があったら語り合おうよ、と決めています。問題があってそれを指摘することも、言う側は批判的だったり怒りの感情が入ったりしがちでつい『言わずに我慢しておこう』という風になりがちなんです。なんでだろう、と思います。ただ意見を伝え合うことにも臆病になったり、意見を言われると怒られたと思って沈んでしまったりするんです。対話には価値観も感情も加える必要などなくて、ただ伝えさえすればいいのに、そういう対話が下手な子たちが語り合ううちにだんだんに慣れてくるんです」とはTさんの言葉。現場の生々しさが伝わります。
「子供たちの中には、学校では全然しゃべらない子がここでなら話せるという子もいます。クラスの中では馬の合う友達もいないような子が、『年上の大人の人たちと話すことに慣れてきた』と言うんです」とも。
学校って同じ歳の友達しかいないけれど、ここにはおやじから先輩からお姉さんまで多様な人たちが平気で会話をして笑いあっています。そういう雰囲気が良いのです。
またTさんは「ここは、貸館で時間を決めて勉強だけするというのではなく、厨房があって調理師さんが昼飯を作って出せるのがいいんです。食器洗いは子供たちに順番に手伝ってもらいますし、なにしろ暖かいお昼をみんなで食べると幸せになりますから」
【暖かい昼ごはんは幸せの源】
※ ※ ※ ※ ※
最近はここでの活動を聞きつけて、たくさんの取材の申し込みがあるんだそう。しかしそれらの中には「かわいそう」とか「暗い」、「ボランティアの成果」など、先に語るべき内容を決めつけてくる人が実に多いのだそう。
「こちらも忙しいこともあって、おかしな形で報道されるとその後の反響も変な形になるので勘弁してほしいと思って、先にどういう取材方針かを十分に意見交換するようになりました」
「変な反響って?」
「『ボランティアで頑張っているんですね』といって、おそらく同情されているのでしょうけれど、訳のわからないアクセサリーを現物で送ってきて処分に困るなんてこともあります」
「ははあ、なるほど」
「マスコミさんの報道は、かわいそうな子供たちをボランティアが助けているという図式でしか捉えられていないんです。ここで何が起こっているのかという現場から真実を求める気持ちがないところが多いですね。だから内容も決まりきったものにしかなりません」
「現実はそうではないと」
「日々こちらも気づくことがたくさんあります。子供たちが年々成長している姿や、指導しているつもりの大人の側にもいろいろな事情の人たちがいて、それらが【みんなで語り合う】という行為を通じて、大人の側だって変化して成長しているんです。その結果、小さな困りごとが解決してそこにいる人間は成長している。それってものすごく小さな変化でしかなくてテレビ映えしないのでしょうけれど、私たちにはその小さな変化の積み重ねがここの場の意味だと思うのですけれど」
この日は札幌からST●がやってきてテレビ取材をしていました。放送は12月14日前後の「どさん●ワイド」だそうです。そこでどのような切り口が語られるかに注目したいところです。
(もしかしたら私の後ろ姿も映るかも(笑))
【どんな切り口の放送になるでしょうか】
一応新しいチューターとして認知されたので、また行けるときに参加して、全てを受け入れようという『包摂(ほうせつ)』の実践をつぶさに見てみたいと思います。
真実は現場にしかないのです。
【この靴の多さを見よ(笑)】
冬月荘とは、もともとある優良企業の福利厚生施設だったのですが、売却されようとしたときにNPO法人地域生活支援ネットワークサロンが購入して地域の集いの場として運営をしているものです。
この冬月荘では月の第2、第4土曜日に、中学3年生を中心とした学習支援「Zっと!Scrum(通称:スクラム)」を実施しています。この事業は中学生が集いながら塾の代わりにチューターと呼ぶ周りの人たちが受験勉強やイベントを通してさまざまな体験をしていこうというもの。
現在、チューターとしては地域の大人(中年男性、大学教員、飲食店オーナーなど)や学生(大学院生、大学生、高校生など)がチューターとして活躍しています。
私も新しいチューターとして自己紹介。「ギバちゃんに似ていると言われるんだけど…」と言うと結構受けてました(笑)
※ ※ ※ ※ ※
【子供たちのたまり場として】
このスクラムという事業、もともとは塾へ通えない子供たちのたまり場として始まったものでしたが、子供たちが集まってくることで様々な問題が明らかになったり解決に結びついたりして、困りごとと解決が日々発生する素敵な現場になっています。
この事業ももう4期目となりました。最初に始まった1期目を卒業して高校へ通っているOBの中にも、ここへ遊びに来て後輩に勉強を教えたり、仲間たちと語り合ったりしている子たちもいます。
担当のTさんによると、スクラムは中学3年生を対象に募集しているので中学生は常に新しい子たちが来て、そのふるまい方は年によって変化が大きいのだそう。
最初の時は乱暴な子がいたりしてほとんど勉強などはしなかったとか。ところが今年はみな勉強が大好きで、チューターと一対一で一緒に勉強をする子が多いのだとか。でも見ている限り、お昼の後には席を立っておしゃべりに興じる子たちもいて、まだまだ遊びたい盛りだという感じです。
「今はまだ火がついていませんからね。年が明けて受験が間近に感じられればもっと真剣みが増しますよ」とはあるチューターの弁。
「年明けには回数が増えるんですか?」
「今でも火曜と金曜の16時~18時にここで勉強の場をもって、さらに月2回の土曜日にやっているのがスクラムです。年明けの冬休み期間中は1月5日から10日間くらい毎日ぶっ続けでやりますよ」
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事業の担当者によると、昔は全然人と会話するのが嫌いだった女の子がすっかり変わって笑顔のカワイイ娘になっていたりもします。
「何か問題があったら語り合おうよ、と決めています。問題があってそれを指摘することも、言う側は批判的だったり怒りの感情が入ったりしがちでつい『言わずに我慢しておこう』という風になりがちなんです。なんでだろう、と思います。ただ意見を伝え合うことにも臆病になったり、意見を言われると怒られたと思って沈んでしまったりするんです。対話には価値観も感情も加える必要などなくて、ただ伝えさえすればいいのに、そういう対話が下手な子たちが語り合ううちにだんだんに慣れてくるんです」とはTさんの言葉。現場の生々しさが伝わります。
「子供たちの中には、学校では全然しゃべらない子がここでなら話せるという子もいます。クラスの中では馬の合う友達もいないような子が、『年上の大人の人たちと話すことに慣れてきた』と言うんです」とも。
学校って同じ歳の友達しかいないけれど、ここにはおやじから先輩からお姉さんまで多様な人たちが平気で会話をして笑いあっています。そういう雰囲気が良いのです。
またTさんは「ここは、貸館で時間を決めて勉強だけするというのではなく、厨房があって調理師さんが昼飯を作って出せるのがいいんです。食器洗いは子供たちに順番に手伝ってもらいますし、なにしろ暖かいお昼をみんなで食べると幸せになりますから」
【暖かい昼ごはんは幸せの源】
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最近はここでの活動を聞きつけて、たくさんの取材の申し込みがあるんだそう。しかしそれらの中には「かわいそう」とか「暗い」、「ボランティアの成果」など、先に語るべき内容を決めつけてくる人が実に多いのだそう。
「こちらも忙しいこともあって、おかしな形で報道されるとその後の反響も変な形になるので勘弁してほしいと思って、先にどういう取材方針かを十分に意見交換するようになりました」
「変な反響って?」
「『ボランティアで頑張っているんですね』といって、おそらく同情されているのでしょうけれど、訳のわからないアクセサリーを現物で送ってきて処分に困るなんてこともあります」
「ははあ、なるほど」
「マスコミさんの報道は、かわいそうな子供たちをボランティアが助けているという図式でしか捉えられていないんです。ここで何が起こっているのかという現場から真実を求める気持ちがないところが多いですね。だから内容も決まりきったものにしかなりません」
「現実はそうではないと」
「日々こちらも気づくことがたくさんあります。子供たちが年々成長している姿や、指導しているつもりの大人の側にもいろいろな事情の人たちがいて、それらが【みんなで語り合う】という行為を通じて、大人の側だって変化して成長しているんです。その結果、小さな困りごとが解決してそこにいる人間は成長している。それってものすごく小さな変化でしかなくてテレビ映えしないのでしょうけれど、私たちにはその小さな変化の積み重ねがここの場の意味だと思うのですけれど」
この日は札幌からST●がやってきてテレビ取材をしていました。放送は12月14日前後の「どさん●ワイド」だそうです。そこでどのような切り口が語られるかに注目したいところです。
(もしかしたら私の後ろ姿も映るかも(笑))
【どんな切り口の放送になるでしょうか】
一応新しいチューターとして認知されたので、また行けるときに参加して、全てを受け入れようという『包摂(ほうせつ)』の実践をつぶさに見てみたいと思います。
真実は現場にしかないのです。
【この靴の多さを見よ(笑)】