昨日朝8時に、豪華客船シルバーシャドウ(28、258トン)が霧立ち込める釧路港へ寄港しました。
釧路らしい霧の中をMOOに向かって滑るように入ってくる船は幻想的です。
今年度になってから最初のクルーズ船寄港ということで、気温6℃という空の下で勇壮な釧路蝦夷太鼓が出迎えですが、とにかく寒い。
蝦夷太鼓の皆さんには、いつも事あるごとに駆り出してすみません。どうか風邪などひかないように。
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【底冷えするお出迎え】
※ ※ ※ ※ ※
さて、シルバーシャドウは最大定員400名と、豪華客船にしては少なくて今日も200名のお客様を乗せての釧路への立ち寄りです。
この船、一見するとデッキがなくて直立のビルのような形をしていますが、実は194の客室全てが海側客室(アウトサイド・キャビン)でオールスイートという本物の豪華客船。
飛鳥Ⅱよりも格が上なのです。
入国手続きを終えて船から降りてくると、乗客の皆さんは待ち構えていたバスに乗り込んで市内観光へ出発。残ったお客さんたちは、用意したテントでの地域色のブースや港周辺観光に出歩いています。
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【さて、地元を味わってください】
テントの片隅で通訳ボランティアをしてくれていた知人に呼び止められました。
「小松さん、聞いてください、私はすっかり苦情受付係になってしまいましたよ」
やや憤った声に身構えながら「何?どうしたの?」と訊くと、「船の皆さんが降りてきていろいろと訊ねてくるんですが不満が多いんです」
「例えば、どんな?」
「バスツアーには参加せずに港周辺を見て回る人もいるんですが、今日は月曜日でしょう?芸術館も美術館も定休日でお休みなんです。今日くらい開けてもらうのは無理なんでしょうか」
「なるほど、事前の情報提供で上手く行けたらいいですね」
「それに、ここが日本最後の寄港地なので手持ちの円を使ってしまおうと思ったけれど、使う場所がない、というのも不満でした。『服を買おうと思うけどデパートはどこだい?』と訊かれて、近くのブティックを紹介しましたけどお気に召さなかったようです」
「ははあ、遠くのショッピングセンターまで連れてゆくのは難しいでしょうね」
「お土産なんかでも、アイヌ民族に興味があるという人はアイヌ工芸品を買い求めたい、と言っていましたが、この近くだとどこに売っているでしょうね。MOOのお土産売り場では本格的ではありませんしね」
「買い物ツアーでどこかへお連れするようなサービスもあると良いかもしれませんねえ」
街が街として外からのお客様をもてなすためには、街でいることが必要なのですね。
現代日本の中心市街地はそれが難しくなっています。街は誰のためのものか、と訊かれれば、住民のためでもあり外からのお客さんのためでもあるというのが答えかもしれません。
経済的合理性を前面に出せば、やせ我慢のまちづくりはむずかしそうです。
※ ※ ※ ※ ※
シルバーシャドウは夕方18時に釧路港を出発。今度はカムチャッカを目指す航海に出てゆきます。
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【小さな穴から別れを惜しむ船乗りさん】
通訳ボランティアの方がマイクでお別れの挨拶をしてくれます。
"See You!"
でも日本でのお別れならやっぱり「さようなら」がいい。
"SAYONARA"
"さようなら~"
見送りは夕焼けと夕霧のコンビ。港の外に消えてゆくシルバーシャドウを見送る人たちの声が港に木霊しました。
釧路らしい霧の中をMOOに向かって滑るように入ってくる船は幻想的です。
今年度になってから最初のクルーズ船寄港ということで、気温6℃という空の下で勇壮な釧路蝦夷太鼓が出迎えですが、とにかく寒い。
蝦夷太鼓の皆さんには、いつも事あるごとに駆り出してすみません。どうか風邪などひかないように。
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【底冷えするお出迎え】
※ ※ ※ ※ ※
さて、シルバーシャドウは最大定員400名と、豪華客船にしては少なくて今日も200名のお客様を乗せての釧路への立ち寄りです。
この船、一見するとデッキがなくて直立のビルのような形をしていますが、実は194の客室全てが海側客室(アウトサイド・キャビン)でオールスイートという本物の豪華客船。
飛鳥Ⅱよりも格が上なのです。
入国手続きを終えて船から降りてくると、乗客の皆さんは待ち構えていたバスに乗り込んで市内観光へ出発。残ったお客さんたちは、用意したテントでの地域色のブースや港周辺観光に出歩いています。
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【さて、地元を味わってください】
テントの片隅で通訳ボランティアをしてくれていた知人に呼び止められました。
「小松さん、聞いてください、私はすっかり苦情受付係になってしまいましたよ」
やや憤った声に身構えながら「何?どうしたの?」と訊くと、「船の皆さんが降りてきていろいろと訊ねてくるんですが不満が多いんです」
「例えば、どんな?」
「バスツアーには参加せずに港周辺を見て回る人もいるんですが、今日は月曜日でしょう?芸術館も美術館も定休日でお休みなんです。今日くらい開けてもらうのは無理なんでしょうか」
「なるほど、事前の情報提供で上手く行けたらいいですね」
「それに、ここが日本最後の寄港地なので手持ちの円を使ってしまおうと思ったけれど、使う場所がない、というのも不満でした。『服を買おうと思うけどデパートはどこだい?』と訊かれて、近くのブティックを紹介しましたけどお気に召さなかったようです」
「ははあ、遠くのショッピングセンターまで連れてゆくのは難しいでしょうね」
「お土産なんかでも、アイヌ民族に興味があるという人はアイヌ工芸品を買い求めたい、と言っていましたが、この近くだとどこに売っているでしょうね。MOOのお土産売り場では本格的ではありませんしね」
「買い物ツアーでどこかへお連れするようなサービスもあると良いかもしれませんねえ」
街が街として外からのお客様をもてなすためには、街でいることが必要なのですね。
現代日本の中心市街地はそれが難しくなっています。街は誰のためのものか、と訊かれれば、住民のためでもあり外からのお客さんのためでもあるというのが答えかもしれません。
経済的合理性を前面に出せば、やせ我慢のまちづくりはむずかしそうです。
※ ※ ※ ※ ※
シルバーシャドウは夕方18時に釧路港を出発。今度はカムチャッカを目指す航海に出てゆきます。
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【小さな穴から別れを惜しむ船乗りさん】
通訳ボランティアの方がマイクでお別れの挨拶をしてくれます。
"See You!"
でも日本でのお別れならやっぱり「さようなら」がいい。
"SAYONARA"
"さようなら~"
見送りは夕焼けと夕霧のコンビ。港の外に消えてゆくシルバーシャドウを見送る人たちの声が港に木霊しました。
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