水~木と道東の弟子屈町、中標津町方面へ出張旅でした。
今年は仕事のテーマは違えどフィールドがなにかと道東づいていて、道東へ行く用事が多いようです。
今回は橋と道路面の段差を現地確認するという仕事でした。
以前は特に道東などの泥炭地では、コンクリート構造物の橋は基礎もがっちりしていて高さが変わらないのに、道路舗装になると泥炭地の上の基礎が沈下して、そこで段差を生じることが多かったのです。
そういうところを車が走ると車にドンと衝撃があって快適さが損なわれます。
快適じゃない、というのであればそれだけのことですが、患者を乗せた救急車だったりすると、衝撃で患者に取り付けた精密機械が止まったり病院との通信が切れたりすることがあって困ります。
どうしてもそういうところではスピードを落とすことになり、救急患者にとっては死活問題にもつながりかねません。
北海道科学技術大学の亀山先生は、地方部の救急患者を高度な3次医療の病院まで搬送する道路を「命の道」と呼んでいて、「道路には平坦性という品質を保持するような管理が必要だ」とおっしゃっています。
今回の調査も、そうした段差があるかどうかをいくつかの橋を巡ってチェックするのが仕事でした。
まあさすがに最近は、道路パトロールで確認したり、ドライバーからのクレームなどもあり、かつてのような酷い段差は少なくなりつつあるようです。
しかし段差は少なくなっても、道路を横切るような割れ目(クラック)や重車両の走行による"わだち"なども目立っていて、車が走れば走るほど道路は傷むということです。
また晴れた日では目立ちませんが、ひとたび雨が降るとそこここに水たまりも多く発生しますし、また春の雪解け時期にはポコポコと穴があくことも多く、維持業者さんは補修材で穴を埋めることに忙殺されます。
寒暖の差の激しい北海道で道路路面を適正に維持し続けることには予算も人手もかかることを思い知らされます。
さらに悪い事には、そうした維持管理を担ってくれている地方の維持業者さんも職員が高齢化していて新規の若者は思うようには入社してくれず、人手不足の度合いも悪化しつつあります。
世の中には、人知れず社会のシステムを適切に担ってくれているエッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちがいて仕事をこなしているのですが、そうした仕事に対する敬意を忘れてはなりません。
いまに「お金はある」と言っても、そうした予算の制約ではなく労働力の制約によって仕事が果たされなくなる時代が来る、という経済学者もいます。
社会の構成員一人ひとりが自分は何を拠出できるのか、お金か、労働かなどを考えて行動に移さないといけない時代になりそうです。
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最近、会社が取っている新聞が来る時間がだんだん遅くなっていることを感じます。
以前は7時にはポストに入っていたのですが、最近は8時くらいにならないと入っていないことが増えました。
「新聞配達も人手がないのだろうな」と感じ始めています。
皆さんは、社会がスムースに回らなくなっていることをどういうときに感じていますか。