北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

タクシー世間話 ~ 儲かっている人にはあやかりたい

2024-10-18 22:40:43 | Weblog

 

 たまにタクシーに乗ることがありますが、最近は前の座席の背もたれの後ろにモニターがついていて、コマーシャル映像が流れている車両が多くなりました。

 しかし私は乗り込んだらすぐにそのモニターを消して、運転手さんに話しかけるようにしています。

 話しのきっかけは「最近はお客さんは戻っていますかね」というもので、最近は「そうですね、だんだん乗ってくださるお客様が増えてきました」という答えが多いように思います。

 そこからは運転手さん個人の物語や、タクシー業界にまつわる世間話を聞かせてもらうのですが、これが結構な楽しみになっています。


 先日乗ったのはとても若い男性で。まだ40代とお見受けしました。

 タクシー業界は賃金が安いので、年金をもらっている高齢者が年金の補助として稼ぐならなんとかやれる、というイメージがあったので、とても意外でした。

 聞けば「前職は大手のパチンコ業界だったのですが、うちの会社は転勤が多くてそれも半年くらいでポンポン店が変わるだけじゃなくて住まいも替わる。一応結婚して子供もいて、昨年自宅も建てたところなので、これで転勤はしたくない、と思ってこちらに転職しました」

「ほう、それでどれくらいタクシーを運転しているんですか?」
「へへ、実は今日が初めてでして(笑)」

「へ?、あ、そうなんですか。いやあ若い運転手さんではこれで家族を養うのは大変じゃないか、と思っていたんですけどね」

 すると運転手さんは、「いやあ実は妻が大手銀行の正社員なものですから、二人であればそれなりにやれるかな、と。それに、今日はまだ初日ですが、これくらいの売り上げがあれば前職と変わらないな、と思うくらいよく稼げているんです。おおいにやる気が出てきましたよ」

 タクシー業界も人手不足と聞きますが、こういう若者が正社員の奥さんとダブルインカムなら結構やれるのかもしれませんね。


       ◆


 また別な時に今度は結構なお齢の運転手さんのタクシーに乗りました。

 こちらも「最近は結構稼ぎが良くなってきましたよ」とのことで、「募集していた運転手さんが集まりすぎちゃって、募集停止しました」とのこと。

「へえ、景気がよさそうですね」
「ええ、今は悪くはないですよ」

 さらに聞いていると「女性でもね、結構稼ぐ方がいるんですよ」とのこと。

「でもタクシーってどこでお客を拾えるかなんて運によるところが多いというイメージなのですがねえ。稼げる人ってやっぱり駅周辺なんかが稼げるポイントなんでしょうかね」

「いやあ、それは運転手それぞれの秘密みたいなところがありましてね。その自分なりの稼げる場所が見つかれば稼げるって訳なんですよ」
「ははあ、そういうのは共有しないんですね?」
「全然!これはバレたら他の人に取られちゃいますからね。でもね…」

「でも…ってなんですか?」
「会社に帰って、そういう稼げる人に、『おお、良く稼いだね』と日報をちらって見せてもらうんです。でもそのときには『稼いだね』と言いながら売り上げなんか見ていなくて、どこから乗せたかという場所をしっかり見ておくんですよ(笑)。そうやって鵜の目鷹の目で情報戦を繰り広げているんですよ(笑)」


 同じタクシー会社でも運転手さん同士の情報戦があって、少しでも自分の売り上げに繋げようという水面下の戦いが繰り広げられているんですね。

 タクシーに乗ったらモニターを消して、世間話を聞かせてもらいましょう。

コメント
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