北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

八雲町の地酒「今宵八雲」の飲み納め

2024-12-09 23:42:53 | Weblog

 今日から函館方面へのあいさつ回り出張です。

 八雲あたりまでは雪が降ったようで路面も圧雪気味でしたが、そこから南は雪も少なく路面も出ていて快適でした。

 八雲町ではちょっとショックな出来事がありました。

 八雲には上野商店という酒屋さんがありました。

 ここで、地元の水を使って秋田の酒蔵に醸造を依頼した「今宵八雲」というお酒があって、八雲を通過するたびにそのお酒を買ったものです。

 今回も何本か買おうと思ってお店の前に行ってみると…、なんとお店がなくなっていました。

 敷地の中に建っていたのもプレハブのような簡易な施設でしたが、その中でいろいろなお酒を売っていて、その中に今宵八雲がありました。

(さては廃業したのかな…)と思いつつも、途方に暮れて町の商工会に電話をしてみました。

「あのう、以前「今宵八雲」というお酒を売っていた上野商店というお店が亡くなっていたのですが…、お分かりになりますか? また、今でも今宵八雲はどこかで買えるのでしょうか?」

 すると電話に出てくださった女性は、「そうなんです。上野商店は昨年の今頃に廃業されたんです。今宵八雲は今年はもう作られていないので、今る町内の二軒の酒屋さんで売られている分が最後です」と教えてくれました。

 そのうえで、「お母さんが一人でお店を切り盛りしていましたが、昨年の今頃に急に体調を崩されて、お店を閉じられたようです」とのこと。

 
 慌てて教えてもらったお店のうちの一軒を訪ねたところ、一升瓶はまだ数本残っていたものの、四合瓶は売り切れていました。

「四合瓶がお使い物によかったんですがね」
「そういうことなんでしょうか、四合瓶から売れちゃいました」


 こうして地域独自の味がまた一つ消えようとしています。

 どうにかしてこの酒造りを継承できなかったものか、とも思いますが、それだけ何かを繋げるということは案外難しいものなのでしょう。

 そもそも今宵八雲というお酒も、酒屋のご主人が始めた地元ゆかりの酒造りを、ご主人が亡くなった時にその遺志を継いで奥さんが続けていたというものでした。

 いくら強い思いでも、個人の歴史と記憶から脱出してはばたくのは難しいようです。

 今日買った一升瓶のお酒を大事に飲むことにします。 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« レバンガ北海道の試合を観て... | トップ | 年寄りになるための勉強 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事