「調理定年」という言葉があるそうです。
この言葉を言い出したのは評論家の樋口恵子さんで、歳を取るにつれて家での料理が億劫になってゆくことから、ある年齢でもう手作りの料理を辞めてしまってはどうか、という提案だそうです。
料理はたいてい家では女性の仕事になっていて、男性は仕事に定年があっていつか仕事をしなくなるのに、女性は死ぬまでお三度から離れられない辛さも込められています。
料理をやめる年齢を決めよう、と言っても、料理を一切やめるということではなく、食材を素材から調理することにこだわるのをやめてレトルトを利用したり中食を利用したり外食をしたりすることで、日常の料理という家事から開放されればよいのだと。
広告会社の博報堂がこの調理定年に関して、「調理寿命」という表現を使って「ココロの調理寿命」と「カラダの調理寿命」があるのではないか、と調査をしたそうです。
その結果は、料理をするのが気持ち的に面倒になって作らなくなる"ココロの調理寿命"が56歳5か月で、料理をするのが体力的につらくなって作らなくなる"カラダの調理寿命"は63歳1か月だったそうです。
案外若いんだな、という印象ですが皆さんはどう感じるでしょう。
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博報堂の調査では、歳をとって何かをやめることをなんでも"寿命"と結び付けて、大盛の料理を食べられなくなる「大盛り寿命(44歳1か月)」や行列してまでラーメンを食べようとは思わなくなる「行列麺寿命(45歳3か月)」といった調査結果も出されています。
歳を取ってやらなくなること、できなくなることを、「ココロの寿命」と「カラダの寿命」という分け方にしたのが面白いと思います。
上記の調理寿命では、先にココロの億劫さが先に来て、やがて体力がついてゆかなくなるという順番でした。
衰えというのは気持ちが前向きさを失って、何事も億劫になるのだということがわかります。
若さとは気持ちの持ちようなんですね。
しかし「新しいことを面白いと思う気持ち」は、自分の意志で何とかなりそうな気もします。
歳をとって実感してくることは、「今が一番若い」ということです。
一番若い時に何かをしなくては何事もどんどんできなくなってゆきますよ。
そう、その思い立った時が吉日。まさに「今でしょ」です。
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