北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

もらったシカ肉の美味しい食べ方

2012-05-16 23:45:45 | Weblog
 一週間ほど前にハンターをしている知人のTさんから突然の電話。

「もしもし、今家にいる?シカ肉をさしあげようと思うんだけど」
「わぉ、それは嬉しいですね。じゃあ、お待ちしています」

 その夜届けていただいたのは、三歳のメス鹿のもも肉。Tさんによると「なんたって三歳のメスが一番美味しいですからね、存分に味わってください」とのこと。

「何度か鹿肉はいただきましたが、まずはどうしたらよいですか?」
「はい、まずは取れたてで肉の体温がありますからこの肉の熱を取ってください。熱を取るには一昼夜から二昼夜の間、ちょろちょろでいいから流水につけるのが一番です」

「へえ、仕留めたらすぐに肉にして熱を取るとは」
「冬に仕留めた時は肉をそのまま川に一晩つけておくこともありますよ。それが一番冷えるから。また、こうやって熱を取らないと中から腐敗します。熱を取ってしまえば今度は冷蔵庫などでおいて熟成させれば柔らかくなりますよ」

「そうですか、美味しい食べ方はどんなものがありますか」
「獲れたてですぐの新鮮なものは刺身でもいいし、塊の外だけ焼いてタタキのようにしても美味いですよ。時間をおいて熟成させるならステーキやローストでも煮込んでも良いですね」


    ※     ※     ※     ※     ※


 …とは言われたものの、生を刺身はちょっと抵抗があったので、新鮮肉のステーキにしてみたのですが、これはなかなかに堅い。

 翌日お礼の電話で「昨夜はステーキにしました」と言うと、「え?すぐにステーキで食べたの、じゃあ堅かったでしょう?」と図星を突かれました。
「え、ええ、ちょっと、ね」

「次は熟成をかけてください。ペーパータオルかなんかで包んで冷蔵庫に入れておくだけです。二、三日でもいいですが、一週間くらい置く人もいます。そうしたら指がぐっとはいるくらい柔らかくなるので、もう焼いても何をしても柔らかくて美味しい肉になりますよ」
「そうですか、じゃあやってみます」


 そういって一週間(冷凍庫ではなく)冷蔵室で熟成させた肉がこちら。なるほど弾力は失せて柔らかくなっています。


 【タオルペーパーとラップで巻いてみました】



 【表面は少し色が変わってきています】



 【なかはまだ真っ赤です】



 【熟成が済んだのでステーキの大きさに切ってこれで冷凍します】


 肉は熟成させると、自ら持つ酵素がたんぱく質を分解して柔らかくさせると同時に旨味成分が増すのだそう。

 表面の色が少し変色しているようですが、余計な肉は大胆にそぎ落としてしまえば良いのです。

 切ってみると中は真っ赤で熟成が見事に進んでいます。

 で、これをカレーにして煮込んでみると、まあ柔らかくて美味しいこと。ビーフに負けず劣らずいい味を出しています。

 シカ肉はまず熱を取って、次に熟成させることが美味しく食べるコツと改めて知りました。


    ☆   ☆   ☆

 
 ちなみに、Tさんに「熟成と腐敗の違いってどうやって見分けるんですか?」と訊いてみたところ、「そりゃ腐ったら臭いで分かりますよ。自分の鼻を信じればいいんですよ」とまあ突き放した言い方。

 とにかく自分の野性を信頼してみるとしますか。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 善意の域内循環 ~ スキッ... | トップ | 理屈と道理の違いとは »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
鹿肉美味しいですね (トマトシステム)
2012-05-17 00:48:42
足を1本そのままをよく頂きます。細かく解体して色々な料理にしています。一番美味しいのは、燻製にしたものです。手をきちんとかけてあげると、とても良い食材になりますね。
返信する
シカサシ最高 (福岡ドーム高木厚誌)
2018-06-23 08:18:22
カレーなどにピッタリです
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事