網走から帯広まで南下してきて今日は帯広泊りです。
帯広でも地元の友人に、最近の情勢を聞いて回りました。
北海道は海外からのインバウンド旅行者には人気の土地とあって、十勝地方も人気なのかな、と思って十勝での観光の情報を聞いてみました。
するとその友人は、「最近は富裕層向けの、十勝のフィールドを活用してスペシャルな体験ができることをウリにするようなプログラムがいくつかできていて、それに結構人が集まっているようです。
参加費用も決してお安くはないんですが、とにかく様々な体験をすることで、なにかこう自分自身の気づきを導くような活動というんでしょうかね。ちょっと面白い動きだと思います」と教えてくれました。
「ただ…」
「ただ…、ってなんですか?」
「十勝の人たち自身が観光が盛んになることを喜んでいるのか、ちょっと私にはわからないところがありまして…」
「どうしてですか?」
「十勝って農業という産業基盤がしっかりしているので、敢えて新しい経済を生み出さないと大変だ、という意識が少ないように思うんです。
逆に、農業景観が美しいと下手に評判になろうものなら、ずかずかとそこに入られて変な病気などが広がることのほうが嫌ですよね」
「そうですか、フライフィッシングを楽しむ僕から見たら、素晴らしい川がたくさんあってうらやましい限りですがね」
「そうおっしゃる方はたくさんいますし、さきほどの体験プログラムにも釣りの体験などは組み込まれていますしね。しかし最近はオーバーユース問題も顕在化してきたし、入り込みをコントロールできるわけでもありません。
結局儲かる人が儲かればよい、というような経済思想では長続きしませんよ。
かつて北海道大学の辻井達一先生がご存命の時は、自然環境の"ワイズユース"という『賢く使おうではありませんか』と提唱をされて、心ある人たちから支持されていましたよね。
では今の観光は自然や歴史資産や交通・宿泊インフラを賢く使っていると言えるのでしょうか。観光資源もワイズユースが叫ばれて、賢く使われないと全体のバランスが悪すぎるように思いますね」
そろそろ観光資源もワイズユースの思想が必要な時かもしれませんね。
◆
また別な友人からは、十勝の経済の力強さを聞きました。
それは「最近の闇バイト強盗多発問題で、地域内で防犯意識が高まって、防犯カメラなどの一式が結構なお値段なのに十勝ではボンボン売れているそうです。
「一式で〇〇十万円ですが…」「いいよ、すぐにつけて行って」という感じで、どんどん売れるのだと。
これが他の地域では、「そんなにするの?高いなあ…、ちょっと考えるわ」というかんじなのだそう。
友人は「十勝の経済基盤の力強さを感じる話だと思いませんか?」と笑っています。
農業経済力の強さゆえに「別に他に余計なものはいらないかな」という気持ちもわからなくはありません。
なんかうらやましいですけどね。
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