p.147 なぜ中年になると人は太りやすくなるのか
加齢に伴い、筋肉量や褐色脂肪細胞が減る
それにプラスして脂肪細胞が仲間を呼びやすくなる
脂肪細胞は自分の仲間を探したがるので、
人間が運動するのをやめさせて怠けさせ、
どんどん脂肪細胞が増えるようなことをします。
高脂肪依存症です。
(中略)なぜ脂肪細胞は自分の仲間を探したがるのか。
これこそ腸脳相関が原因です。
脳の視床下部にメタボ報酬系という、食べ物と密接に関係している
組織があります。人はものを食べると「嬉しい!」と感じます。
そこで報酬として身体を活性化させ、いろいろな基礎代謝に
影響します。
そのメタボ報酬系による欲求で食べたものが悪さをするのです。
p.148 悪さというのは、動物性脂肪ばかりを食べることによって
メタボ報酬系の細胞にERストレス(小胞体ストレス:
Endoplasmic reticulum stress)という負荷がかかり、細胞の負担に
なってきます。すると運動したくなくなります。
ER(小胞体)は細胞内に入ってきた古いタンパク質を分解する
ところです。そこにたくさんの脂肪が入ってくると、
分解しきれなくなって負担になります。それがERストレスです。
また、ERは動物性脂肪がさらに好きになるという悪さもします。
ですから肉などの脂肪分を食べれば食べるほど、動物性脂肪が
好きになります。(中略)動物性脂肪だけで育てたラットは
動物性脂肪の多い餌ばかりを好んで食べるようになり、
加えてそのネズミは怠け者になります。回し車のような
遊び場をつくってあげても、まるで回転数が上がりません。
若いころであれば筋肉量や褐色脂肪細胞がそれなりにあるので、
ERストレスを抱えても「即・肥満」という状態になりづらい
ですが、中高年になるとERストレスに対する”抵抗力”が
弱いので、いわゆる中年太りになりやすいのです。
この辺の理論は、数年前から勝間和代さんが紹介していました。
さすが、情報が早いし、すぐに実行されていることがスゴイです。