留守家族が丹精込めて咲かせたアジサイ「アナベル」
私のヤマアジサイ「くれない」も見事に花をつけました。嬉しい
およそ1ケ月ぶりに自宅へ帰りました。爽やかな風が迎えてくれる。
大阪では、まとわるつくような熱気と体を覆う湿気に閉口しました。
ほんの7年前まで住んでいた地なのに、体は忘れているのか。
人が壊れる。心が壊れる…最近目にしたり、聞いたりすることが多いフレーズ。
うん、今なら少し分かります。
夜、救急で搬入された母は自分の居場所がわからないからか、夜中にベッドから降りていたそうです。
大腿骨骨折の痛みも感じなかったのだろう。幸い怪我はなかったが、ベッドの柵が補強された。
その7日後に手術だった。貧血気味で日延べなのか、体力が足りないのか、救急の横入りで、順番が得られないのか分からない。
その間の心の不安定、言動の不可解さ、幻覚症状を口走るなどを目のあたりにして
認知症に落ちつつあると思うのは、素人なら当然であろう。
書店で最新版(24年4月30日発行)『認知症・アルツハイマー病が分かる本』を求めた。
まず
認知症という病名はないこと。
認知したり、記憶したり、考えたり、判断する力が障害を受け、社会生活に支障をきたすようになった状態を言う。
認知症の原因疾患には、多い順に下記のようになる
①アルツハイマー病
②脳血管障害(脳出血や脳梗塞など)
③混合型(アルツハイマー病+脳血管障害)
④その他(レピー小体病、ピック病など)
また、
認知症または認知症様症状を示す疾患の中に、低酸素症による原因で「貧血」があげられていた。
入院時の「入院診療計画書」に骨折以外に”鉄欠乏性貧血”の項目があり、手術に輸血必要の同意書にもサインをした。
これらからアルツハイマー病か、環境の急激な変化による一時的な症状だろうと思い至った。
高齢なのでアルツハイマー病だとしても進行は緩やからしいので、記憶の戻りやすい幼いころの遊び・あやとりやお手玉、父母の思い出話を聞くことにして施術日までを過ごした。
術後しばらくも、本人が記憶や月日がわからず、嘆いたり焦っている様子が見えた。
大好きな大相撲開始にあわせ大判星取表を新聞販売店から頂き、ごひいき力士の●○を記入させたり、
ノートに週ごとカレンダーを作ると、自分でリハビリ訓練の様子や車椅子でトイレに行けたと記録するようになった。
これを機に一時帰宅を決意。
「家に帰りたいよ~」とぐずるので、
「私だって帰りたいよ~」と携帯電話をもたせ、短縮ダイヤルで架ける聴くだけの操作を教えて病院を出た。
89歳の挑戦であるが、架かってこない。
施設にはいったとしても、部屋に電話をひくより簡単だよというと嬉しそうだった。
今思い出すには穏やかだが、当時(6月下旬から7月上旬)は必至だった。
※65歳以下で発症した場合は進行が早いので、要注意です。
余談
看護師さんに「アルツハイマー病のようですね?」と質問したら、
「いえ!認知症ですよ」と返事がかえってきた。
これでは自分で学習せねばならぬと、『分かる本』はありがたかった。