蔵くら日記

人生最後の数年を田舎暮らしで。2004年4月、実現のための行動開始!それは思わぬ展開でスタート・・。今では安曇野三昧

壁の断熱とサッシについて

2005年04月16日 | モダン古民家建築記
4月上旬
サッシが取り付けられ、壁の下準備が始まりました。

杉材の桟がはりめぐされ、ファイバーグラス(グラスウール)で断熱し、吉野石膏の不燃ボードで防音と壁の下張りの役目をしています

各部屋の壁にボードがはりついてゆく


外側の横板はサワラを2センチ間隔で、しっかり貼ってあります。法的には2から3センチまでと決められていますが、2センチ間隔はかなりしっかりものです。
サッシは寒冷地対応として勿論ペアガラスで、厚さ1センチの空間のあるものです。
メーカーはトステムのブラウン系を採用した「防寒はまかしとけ!」とばかり頑固そうな素材です。

余談ですが、この時期に撮った外観写真をメールで見た人が、早とちりで「れんが壁ですか?」


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単身赴任へ

2005年04月15日 | 安曇野とその周辺
夫ではありません。妻の単身赴任!
ありえな~いとたいていは思うでしょう。
法令、設備、資金は夫が◎ 建築イメージやディテールは妻の方が◎、
と自動的に分担していました。
そこで・・・・

当初より棟梁からも「是非一緒に家を建てましょう」と参加型家造りを勧められていた。
安いアパートを探す、に加えて、携帯電話が繋がる+インターネットが繋がる+最低必要
な家具がついている(二重生活のため買い揃えられない)=レオパレス21となりましたが、
安いとはいえなかった。D社の家電レンタル+アパート家賃の組み合わせのほうが高かった

結局車で現場へ向かう距離や、生活周辺の便利さを考慮して決めました。
おばんも住まうレオパレス。紀香さんとはイメージが違い過ぎますが、収納が多く、ごみ管
理もよく、まずまず安心でスタート。ところが、ひとり暮らし用はキッチンが狭いのが困る。
基本的に3食料理をするようにはなっていないのです。
IH料理器、電子レンジ、洗濯機、冷蔵庫、バストイレは別機能、シャワー浴室乾燥つき、テ
ーブル(固定 72センチ角)と椅子2脚、テレビ、ベッドとなかなか便利にはできていますが
キッチンだけは残念です。
駐車場は破格の3.000円/月!

大阪の自宅にあったワゴンと小さい椅子で、クローゼットの半分をパソコン室?
に工夫しました。これで、デジカメ・スキャナー、プリンタがセットできます。
たこ足配線が素敵!
こうして4月18日からめでたくひとり暮らしが始まりました。

優雅な?パソコンルーム
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スッキリポールって何?

2005年04月12日 | モダン古民家建築記
3月中旬
電気工事屋さんと打ち合わせが始まり、問題が2点ありました。
一つはテレビ。映画とニュース好きには必須アイテムです。この地域の屋根を眺めると、どうもアンテナがたくさん立っており、ほとんどの家に丸いパラボラがあります。つまりアンテナ類が3個必要ということになります。ぴかぴか三州瓦の上に、トンボみたいなアンテナが立つのを想像しただけで残念でなりません。そこで提案されたのが「スッキリポール」同じ気持ちの人が世の中にはいるのです。1本のポールにトンボ2本(将来のデジタル化に備える)と大福1個をまとめて設置して、すっきりさせるという方法。うん!これならと納得しました。

高さ7メートルでOKと電気屋さんは判断しました。
やれやれ。
このポールにボックスがつきます。このボックスに電灯・電話・テレビ・BSCSアンテナがすべて収まります。だからスッキリポール。船のマストを想像してください。
ここでまた予算オーバー。

もう一つは、LANケーブル
大阪では無線をとばして、2台のパソコンを使用しています。息子達のパソコン持参にも重宝していました。
今回は無線では無理とのこと。有線ケーブルだとジャックはいくつ必要になるのか?
来客用の和室と夫婦の書斎、老後の寝たきりも踏まえて寝室にもと、結局4ケ所になってしまった。
とほほほである。
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屋根工事始まる

2005年04月11日 | モダン古民家建築記
2005年3月上旬
片流れのかっこいい屋根に、三州瓦を載せる基礎工事が始まりました。
写真右:下葺1層目 資材はカラールーフィング

写真左:下葺2層目 資材は合成ゴムルーフィング
写真右:瓦が止めつけられてゆきます。軒先・袖はステンレスビス50ミリ、平部桟・平部雪止めはすべてステンレス釘50ミリを使用しています。

写真左:大屋根陸棟といい、屋根のてっぺんです。なんと艶やかな瓦だこと。
屋根に関して材質まで記入できたのは、工事中不在の施主に、このように瓦屋さんが撮影してくれたからです。
写真右:片流れの下方から見あげる。光の加減でしょうか、波うってみえますが、とんでもない!縦横斜めスカッと並んでいます。
手前は現場事務所です。


屋根工事完成しました。ごろごろ石の上に見えるのは玄関の小屋根、上の左の△はうだつです。



我が家の「うだつ」はほとんどアクセント的な風合いですが、昔は防火対策としてつくられたものらしい。

鬼瓦はシンプルな「カエズ」という種類です。中央に家紋をいれる場合もあります。私はふくろうをデザインして焼くべえか!と思い立ちました。しかし1個が8万円すると聞きあっさり引っ込めましたが、正解でした。高くてほとんど見えません。
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上棟式

2005年04月10日 | モダン古民家建築記
2月28日(勿論吉日)午後5時 冷たい空気の中、高い2階で厳粛に始まる。
上棟式は建前とも呼ばれ、これからの工事の無事を祈る儀式です。
今回は、若い舛田さんが棟梁として仕切ることが宣言され、いっそう緊張が高まりました。
舛田さんは初めての経験です。私達が大阪人であり、彼も大阪出身ということで、親方棟梁
の配慮だと感じました。棟札に「棟梁 舛田~~」と書いたわけもこの時判明。

餅撒きをするからと聞いていましたが、餅がありません。
そこへ、奥様とお嬢さん配達の紅白餅が登場。透明の袋にリボンで結んだ
どっさりのお餅が届きました。

さて始まり始まり・・・

緊張の面持ちで口上を述べる舛田棟梁


祈りのあと酒、塩、米をまいて建物を清めました



2階から餅と5円玉を投げて祭りはクライマックスに。高いところから投げるのは
ちょっと気がひけますが、数少ないご近所から子どもさんの友達も交えて拾いに
来てくださいました。
子どもの頭に当たらないよう気をつかいます。なかにはポリ袋持参の子どもがいて、
「なあるほど」と感心しました。
今では餅まきや投げ銭までするのは珍しいとのことで、子どもさんの思い出になれば
嬉しいです。

餅撒きに忙しく、楽しげな写真がとれなかったのは残念!
2階の高さに驚きました。


儀式が終わった後、供えていた棟札と弊串は天井裏の柱に打ち付けられ、
末永く家の安全を見守ってくれるということです。
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いよいよ建前 part2

2005年04月08日 | モダン古民家建築記
今日もいい天気(2月28日)
さあ建前2日目です。
本日5時から上棟式なので、急ピッチで仕上げにはいります。
名人藤沢さんは厳しいですが、若い大工さんには大変勉強になると思います。ちょっとしたことも見逃さず、指摘しています。年配者のなかに小林棟梁のお兄さんもおられて、若い大工さんを育てる教官をしています。あすなろ会メンバーがお互いに請け負った現場の建前を、互助しながら伝統工法を守り継承しています。





蔵の大梁がわたりました
現場に置いてある時「太い材木だなあ」私が転がっているようでした。東西を貫く梁に「霜柱氷梁雪友紀桁雨棟露葦草」と墨筆が読めます。
屋根も出来ました。

>

組む順序があり、それを踏まえて凹凸がつくられているそうです。
素人にはランダムに立ち上がっているように見えるのですが・・・・

    2階からリビングの梁を見る


不思議です
こうして立ち上がってみると、基礎だけの時よりずっと広く見えます。

柱はひのきの無垢、梁は赤松の無垢でたいそう賑やかになりました。
昼食は木の香りと青空のもと、全員で特別弁当と豚汁をいただきました。


                 
さあ夕方の式にむけ気合をいれて再開です。
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いよいよ建前 part1

2005年04月06日 | モダン古民家建築記
雪積もる現場へ(2月27日)
午前8時 積み下ろしが始まる。
棟梁と舛田さんが、東北の角(いのいちばん)から四方に清めの酒をまき、工事の安全を祈り
いよいよ建前の開始です。

写真右:1本目の柱が立つ  似た写真が続きます、よく見てください。


建前には釘を1本も使いません。基礎の木材に刻まれた位置に柱が、柱と梁に刻まれた凹凸が、まるでLEGOのようにピタ!とはまります。凸をほぞといい、勿論この長さが長いほど(12センチです)しっかり組み立てられます。古材以外の新材はすべて国産材で、柱はひのき、梁は赤松です。林の中に槌音が響き、それはそれは心地よい音です。

写真左:1本目の梁がわたる 写真右:1本目の古材梁がわたる


精鋭10人の言葉少なく進められる作業は、この図面を各人が確認しながら立ち上げ、次の作業に必要な配置まで木材を
クレーンで移動させます。一人一人に握手を求めたくなる感動シーンの数々。

材木の上に何気なく置かれている図面


名人と新進のコラボレーション。古材と新材のコラボレーション。小林棟梁も所属する「あすなろ会」という組織があり、若い大工さん、特に伝統工法による古材再生建築を目指す、若い職人さんの育成にも力をいれているそうです。
私達の建前にも20代の若者が二人います。嬉しいですね。舛田さんもたのもしい若い大工さんです。

写真右:ひとり黙々と車内で操縦する若者の手は、魔法の杖のように錘の位置をきめます
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現場へ向かう嫁入り材

2005年04月06日 | モダン古民家建築記
2月27日午前7時
 建前に必要な柱と梁、工具類をトラック3台に積み込んで、工務店を出発。
 私達夫婦も手を合わせて見送りをしました。
 可愛がっていた娘を嫁にだす心境とは、こういうことかもしれない。感慨深い寒~い朝でした。

手際よく積み込まれる木材


いざ出発


道中気をつけて!
ハウスメーカーの建築が多い昨今では、このような積載トラックも珍しいという。


工務店から見る朝の常念岳


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建前の準備 墨付けと刻み

2005年04月04日 | モダン古民家建築記
出番を待つ建材たち
工務店の倉庫は「宝の山」です。集められた古材が、新しい生命を吹き込まれて
再利用され、新しい100年の道を歩み始めます。

私達の建前を待つ建材群。


2月中旬
雪景色の常念岳が眺められる豊科の小林工務店では、現在建前の刻み作業が進め
られています。刻みとは、柱や梁を立ち上げた時、それぞれの切り込みにピタ!
と組み込むために木を削る作業です。刻むための前作業として、墨付けがありま
す。図面にそって採寸しながら、墨と筆で印をつけることです。



この作業が一番魅力的と話す、大工の舛田さん。彼は6年前脱サラし、
小林棟梁の仕事に惚れこんで弟子入りした大阪出身の人です。

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上棟式の準備(施主の仕事)

2005年04月03日 | モダン古民家建築記
2月28日の晴れ舞台の準備です。
上棟式の主役は施主。仕切るのは棟梁。
100年前の古材を梁に使った立派な建物にふさわしい、古式ゆかしいイベントとなりそうです。
しかしこの段階で説明を聞き、ネットで調べておいたのですが、もうひとつピンとこない想像力欠如の施主でした。

25日(上棟式の3日前)
集めていた5円玉50個(本当は年齢分だそうですが、我々は十倍のご縁とこじつけました)に、こよりを結ぶ。厚手の和紙だったのでうまく出来ないが、妻は指を腫らして懸命に作りました。これは上棟式当日に2階から投げるそうです。



夫は棟札に文字書きをする。棟梁から頂いた原稿を元に、大阪の自宅でお習字よろしく練習を重ねた成果により、立派な札が出来ました。棟梁からは、こんなに丁寧に板書したのは初めてとお褒めの言葉をもらいました。しかし棟札がどのような運命をたどるのか、少しも分かっていませんでした。




厚さ5センチはある古材(赤松)の一部を札にしているのですが、裏側には明治35年の墨書があり100年を越えていることが分かります。
長く家内安心、世界に平和をとの願いが読み取れます。
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