尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

「いよいよ」の週-名張事件再審開始か?

2012年05月20日 00時12分52秒 |  〃 (冤罪・死刑)
 来週は「いよいよの週」ですね。まず何と言っても「金環日食」です。年の初めから、ずっと話題になってましたが、安全な「ソーラーグラス」はお求めですか。でも曇りで見えないんだろうと思っていますけどね。

 続いて、「スカイツリー開業」ですね。いやNHKまでがあんなに宣伝放送しまくっていいんでしょうか。僕は高いものに関心が強いわけではないので、一応通天閣とか五稜郭タワーとか行ってるものもあるけれど、タワーだから関心があるというほどではないです。どっちかというと、由緒ある「業平橋」という駅名を残して欲しかったなあ。東武線を「スカイツリーライン」なんて呼ぶのもやめて欲しい。(毎日のように使う電車。)さて、実はスカイツリーは家から見えます。別に行きたくないということでもないけど、高すぎるなあと思う。東京タワーも一回しか行ってないけど、まあ見てればいいんじゃないかと思う、こういうものは。

 スポーツでも、五輪が近づき、女子バレーの出場権争いも注目、野球も交流戦、ワールドカップ最終予選も近づき、大相撲は大混戦。そういうのも実はけっこう見てるんですけど、来週は見たい映画もいっぱいで困った状態。

 でも、僕にとってもっとも大事な「来週のいよいよ」は、25時午前10時名張毒ぶどう酒事件の第7次再審請求差し戻し審決定の判断です。この事件は、名古屋高裁で第7次再審請求が認められたけど、検察側の異議申し立てが名古屋高裁に認められ、最高裁で2010年に「差し戻し決定」が出たという複雑な経過をたどってきました。なにより「一審無罪」という事件が、高裁で一転死刑と言う、戦後の裁判史上も例を見ない経過をたどった事件です。そういうことが許されるのか。それが裁判と言うものだったら、やはり「死刑制度」は問題なんじゃないでしょうか。証拠自体は変わってないのに、担当する裁判官の判断しだいで「無罪」「死刑」と分かれるんだから。今回の問題は、毒物とされた農薬「ニッカリンT」が違うのではないかという根源的な問題への疑問です。科学的な鑑定問題は難しい面もあるけれど、「疑わしきは請求人の利益に」で考えれば、もはや再審開始の結論しかないと思っています。

 「死刑」と「冤罪」は直接関係がないと強調する人がいるけれど、それはリクツではそうなんですが、感情でいえば、やはりこういうケースがあれば死刑は問題だなと思うんじゃないか。今年は、名張事件、袴田事件で、5件目、6件目の再審開始が期待される年です。死刑制度を根源的に考えることが必要なのではないかなと思っているわけです。

 もう一回、死刑制度の問題をまとめて考える前触れとして、まず名張事件の予告。名古屋高裁前では様々な行動も予定されているようですが、名古屋までは行きませんけどね。
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