日本の夏は高温多湿で耐えがたいが、そんな時にヒマと金と車があれば(そして家に老人や障がい者がいなければ)、山の秘湯に行くと良い。箱根、軽井沢あたりでは結構暑いことがあるが、信州の山の上まで行くと涼しくてよく寝られる。そういう秘湯もそうだが、日本各地には「温泉旅館」がたくさんあって、そういう旅館では食事も美味しい和食を食べられる。でも夏休みに少し長く旅行しようなんて思うと、似たような料理続いて続いて食傷することにもなる。じゃあ、どうすればいいだろうか?
日本各地には「ホテル」と付く宿泊施設も多い。洋室が中心で、レストランでは洋食を出すが、ルームチャージにして町に食べに出掛けることも出来る。基本的には大浴場はないけれど、探せばところどころに「温泉付きホテル」もあるのだ。そのことに気付いて、旅程には時々ホテルを入れるようになった。前に十勝平野のモール泉で書いた帯広の北海道ホテルはその代表格。ホテルの方が気楽だし、、文化施設が多い町に泊まるのは楽しい。
特に歴史があって格式が高いホテルを「クラシックホテル」と呼んでいる。クラシックホテルには決まった定義はないけれど、明治初期に出来たホテルや昭和初期に出来たホテルがある。どちらも外国人観光客を目当てに作られたもので、日本最古のホテルは1873年開業の日光金谷ホテル。しかし、ここは温泉がない。近くに日帰り温泉は多いので、温泉に行きたければそれを利用すればいい。続く1878年開業の箱根宮ノ下の富士屋ホテルは温泉がある。ただし思ったより大きくないが、部屋の風呂も温泉になっている。この二つのホテルは有名だし、外観も素晴らしいから関東在住なら一度はランチやデザートだけでも行く価値がある。
(箱根富士屋ホテル)
軽井沢万平ホテルや奈良ホテルも明治創業だが温泉ではない。昭和初期の横浜のホテルニューグランド、蒲郡の蒲郡クラシックホテルも同じ。日本は1940年の東京五輪を控えて、国際観光促進政策を取り全国に洋式ホテルを建設した。その時に作られた雲仙観光ホテル(1935年創業)はそうだけど、ここは行ったことがない。でも外観を見れば一度は訪れたいところだ。伊豆の川奈ホテルも行ったことがない。
(雲仙観光ホテル)
じゃあ、どこへ行ってるのかというと、どっちも火災で一度焼失してるんだけど、その後再建された赤倉観光ホテルと中禅寺金谷ホテルである。赤倉観光ホテルは1937年に創業したが、やはり国策で作られたので温泉権が優遇され掛け流しの温泉が素晴らしい。1965年に焼失し、翌年同じ外観で再建された。赤倉高原にそびえていて、真ん前がスキー場。夏は涼風を感じながらテラスでアフタヌーンティーを楽しめる。一度泊まって素晴らしかったので、もう一度行ったことがある。しかし、近年になってリニューアルされて、それまで以上に高級になってしまった感じ。でも夏になれば、ここのテラスに行きたくなる。フルーツケーキが絶品だ。
(赤倉観光ホテルと温泉)
奥日光の中禅寺金谷ホテルは、1940年に日光観光ホテルとして創業した。戦後に焼失し、金谷ホテルグループとして再建された。中禅寺湖ももうすぐ終わるあたりにあるが、木々が生い茂り湖は見えない。でも素晴らしく気持ちがいいところで、これが夏のリゾートホテルかと実感できる。湯元温泉から引いた温泉も整備されている。旧ボートハウスがあって、昔の奥日光が外交官などに愛されていた歴史が伝わる。前にある「ユーコン」というカフェだけ利用することも出来る。しかし、ちょっと高いけれど一度は泊まってみたい宿だと思う。
(中禅寺金谷ホテルと温泉)
何でクラシックホテルのことを書いたかというと、一つは「近代化遺産」として格式あるホテルは守って次世代につないでいく必要があると思うからだ。そして、ホテルガイドみたいな本には出ているけれど、温泉ガイドには全然載っていない。だから温泉ファンは知らなかったりする。また時には有名な格式高いホテルも経験しておくべきだし、子どもにも体験させておくべきだと思うからでもある。
前に日光金谷ホテルのメインダイニングで、何だかワイン選びに苦労しているカップルを見たことがある。こういうところ初めてなんだな感がにじみ出ていた。カップルで泊りに行けるように、その前に親が箱根富士屋ホテルでアップルパイを食べるとか、中禅寺金谷ホテルで百年カレーを食べるとか、そういうのも大事かなと。そりゃあ、ちょっと高いです。でもレストランを利用するときにドレスコードなんかない。ネクタイをしろなどと言われない。温泉に行くときは浴衣も用意されている。超お金持ちじゃなくても、時にはちょっとリゾート感を味わえるのがクラシックホテルじゃないかと思うのである。
日本各地には「ホテル」と付く宿泊施設も多い。洋室が中心で、レストランでは洋食を出すが、ルームチャージにして町に食べに出掛けることも出来る。基本的には大浴場はないけれど、探せばところどころに「温泉付きホテル」もあるのだ。そのことに気付いて、旅程には時々ホテルを入れるようになった。前に十勝平野のモール泉で書いた帯広の北海道ホテルはその代表格。ホテルの方が気楽だし、、文化施設が多い町に泊まるのは楽しい。
特に歴史があって格式が高いホテルを「クラシックホテル」と呼んでいる。クラシックホテルには決まった定義はないけれど、明治初期に出来たホテルや昭和初期に出来たホテルがある。どちらも外国人観光客を目当てに作られたもので、日本最古のホテルは1873年開業の日光金谷ホテル。しかし、ここは温泉がない。近くに日帰り温泉は多いので、温泉に行きたければそれを利用すればいい。続く1878年開業の箱根宮ノ下の富士屋ホテルは温泉がある。ただし思ったより大きくないが、部屋の風呂も温泉になっている。この二つのホテルは有名だし、外観も素晴らしいから関東在住なら一度はランチやデザートだけでも行く価値がある。

軽井沢万平ホテルや奈良ホテルも明治創業だが温泉ではない。昭和初期の横浜のホテルニューグランド、蒲郡の蒲郡クラシックホテルも同じ。日本は1940年の東京五輪を控えて、国際観光促進政策を取り全国に洋式ホテルを建設した。その時に作られた雲仙観光ホテル(1935年創業)はそうだけど、ここは行ったことがない。でも外観を見れば一度は訪れたいところだ。伊豆の川奈ホテルも行ったことがない。

じゃあ、どこへ行ってるのかというと、どっちも火災で一度焼失してるんだけど、その後再建された赤倉観光ホテルと中禅寺金谷ホテルである。赤倉観光ホテルは1937年に創業したが、やはり国策で作られたので温泉権が優遇され掛け流しの温泉が素晴らしい。1965年に焼失し、翌年同じ外観で再建された。赤倉高原にそびえていて、真ん前がスキー場。夏は涼風を感じながらテラスでアフタヌーンティーを楽しめる。一度泊まって素晴らしかったので、もう一度行ったことがある。しかし、近年になってリニューアルされて、それまで以上に高級になってしまった感じ。でも夏になれば、ここのテラスに行きたくなる。フルーツケーキが絶品だ。


奥日光の中禅寺金谷ホテルは、1940年に日光観光ホテルとして創業した。戦後に焼失し、金谷ホテルグループとして再建された。中禅寺湖ももうすぐ終わるあたりにあるが、木々が生い茂り湖は見えない。でも素晴らしく気持ちがいいところで、これが夏のリゾートホテルかと実感できる。湯元温泉から引いた温泉も整備されている。旧ボートハウスがあって、昔の奥日光が外交官などに愛されていた歴史が伝わる。前にある「ユーコン」というカフェだけ利用することも出来る。しかし、ちょっと高いけれど一度は泊まってみたい宿だと思う。


何でクラシックホテルのことを書いたかというと、一つは「近代化遺産」として格式あるホテルは守って次世代につないでいく必要があると思うからだ。そして、ホテルガイドみたいな本には出ているけれど、温泉ガイドには全然載っていない。だから温泉ファンは知らなかったりする。また時には有名な格式高いホテルも経験しておくべきだし、子どもにも体験させておくべきだと思うからでもある。
前に日光金谷ホテルのメインダイニングで、何だかワイン選びに苦労しているカップルを見たことがある。こういうところ初めてなんだな感がにじみ出ていた。カップルで泊りに行けるように、その前に親が箱根富士屋ホテルでアップルパイを食べるとか、中禅寺金谷ホテルで百年カレーを食べるとか、そういうのも大事かなと。そりゃあ、ちょっと高いです。でもレストランを利用するときにドレスコードなんかない。ネクタイをしろなどと言われない。温泉に行くときは浴衣も用意されている。超お金持ちじゃなくても、時にはちょっとリゾート感を味わえるのがクラシックホテルじゃないかと思うのである。