デニス・ホー(何韻詩、1977~)と言われても知らなかった。香港を代表するポップスターだという。僕は香港の映画や音楽に詳しくない。デニス・ホーは映画や舞台でもずいぶん活躍していたようだが、やはり一番は歌手として中華圏を代表する活躍をしていた。「デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング」はそんなデニス・ホーの歌手人生が転変していく様を彼女に密着しながら描き出す感動的な記録映画である。作ったのはスー・ウィリアムズという監督で、デニス・ホーと2017年に出会って絶大な信頼を得て映画を作ったという。

大歌手・女優のアニタ・ムイの影響を受け、2003年にアニタが子宮頸がんに亡くなると大きなショックを受ける。しかし、そんな中でも素晴らしい音楽を作って大陸でも多くのファンを獲得した。しかし、デニス・ホーはそこに止まらなかった。2012年にLGBTパレードに参加し、その会場で自らレズビアンであることを告白した。そして2014年に起こった「雨傘運動」にも参加、香港の自由を守るために立ちあがったのである。運動の中で逮捕されたこともあるが、自ら一番最後に釈放されることを望む。知名度のある自分が最初に釈放されると残った人がどうなるか心配だから最後まで残ったのである。
(一時逮捕されたことも)
しかし、そんなデニス・ホーは以後大陸での活動が不可能になった。それどころか大手会社との契約も更新されず、インディーズとして活動していくしかなくなった。収入は9割減となったが、それでも自主的にコンサートを開くとチケットはあっという間に売り切れた。コンサート前のメイクも自分ですることになる。そして2019年の「逃亡犯条例」に反対する大デモにも加わり、国連人権委でも証言する。何故か日本の報道ではデニス・ホーの名前を聞かなかった気がするが、このような人がいたんだ。自分にとって「自由」な道を歩んで行って、「不自由」ながらも得られた「精神の自由」。そこで歌われる名曲の数々は感動的で圧倒される。
(自分自身の道を探し求めていたと語るデニス・ホー)
香港の政治的な困難を考えるための映画であり、LGBT問題を考える映画でもある。しかし、そういう問題を考える映画という以上に、素晴らしい音楽ドキュメンタリーだった。そしてさらに「自分自身の道」を探し求める映画でもある。必見の感動作だが、東京ではシアター・イメージフォーラムでの朝一回だけ。渋谷からも表参道からも遠いので、大雨や猛暑の日は行きたくない。朝早く行くのも大変だと思っているうちに上映1ヶ月を過ぎた。各地ではこれから上映されるとことが多い。大学生など若い人に是非見て欲しい映画だ。

大歌手・女優のアニタ・ムイの影響を受け、2003年にアニタが子宮頸がんに亡くなると大きなショックを受ける。しかし、そんな中でも素晴らしい音楽を作って大陸でも多くのファンを獲得した。しかし、デニス・ホーはそこに止まらなかった。2012年にLGBTパレードに参加し、その会場で自らレズビアンであることを告白した。そして2014年に起こった「雨傘運動」にも参加、香港の自由を守るために立ちあがったのである。運動の中で逮捕されたこともあるが、自ら一番最後に釈放されることを望む。知名度のある自分が最初に釈放されると残った人がどうなるか心配だから最後まで残ったのである。

しかし、そんなデニス・ホーは以後大陸での活動が不可能になった。それどころか大手会社との契約も更新されず、インディーズとして活動していくしかなくなった。収入は9割減となったが、それでも自主的にコンサートを開くとチケットはあっという間に売り切れた。コンサート前のメイクも自分ですることになる。そして2019年の「逃亡犯条例」に反対する大デモにも加わり、国連人権委でも証言する。何故か日本の報道ではデニス・ホーの名前を聞かなかった気がするが、このような人がいたんだ。自分にとって「自由」な道を歩んで行って、「不自由」ながらも得られた「精神の自由」。そこで歌われる名曲の数々は感動的で圧倒される。

香港の政治的な困難を考えるための映画であり、LGBT問題を考える映画でもある。しかし、そういう問題を考える映画という以上に、素晴らしい音楽ドキュメンタリーだった。そしてさらに「自分自身の道」を探し求める映画でもある。必見の感動作だが、東京ではシアター・イメージフォーラムでの朝一回だけ。渋谷からも表参道からも遠いので、大雨や猛暑の日は行きたくない。朝早く行くのも大変だと思っているうちに上映1ヶ月を過ぎた。各地ではこれから上映されるとことが多い。大学生など若い人に是非見て欲しい映画だ。