昔は学校が冬休みになると、よく温泉旅行に行ったものだった。数年前まで12月23日は祝日だったから、何年かに一回は22日の木曜日で学校が終わってしまう年があった。もっとも土曜が休日になって以後のことだけど。そんな年は25日の日曜日から旅行に行った年もあった。某旅館では美味しい料理の他に、「クリスマスケーキをご用意しました」というから、ものすごく期待した。そうしたら冷蔵庫にどこでも売ってるヤマザキのショートケーキが入っていたので、なんかちょっと脱力してしまった思い出がある。
さて北海道、東北と来て、次は関東地方なんだけど、関東はなあ、スルーしようかなと思った。それはまあ草津や伊香保、鬼怒川や塩原、あるいは箱根、湯河原など有名な温泉は幾つもある。僕が大好きな四万温泉や日光湯元温泉なんか、今まで何度も書いている。しかし、今回はそういう大旅館が並ぶ温泉は抜かすことにしている。秘湯系では群馬の法師温泉、栃木の大丸温泉などでもいいんだけど、有名だし、今ひとつ感がある。関東地方は人口最多の首都圏があるから、豪華旅館から格安旅館までいろいろとそろっている。でも、その割に特徴がない気がする。(まあ奥鬼怒温泉郷があるけど、実はまだ行ってない。)
でも、そう言えば温泉ではほとんど触れられることがない茨城県から一つ選ぼうと思いついた。温泉の多い地帯は火山との距離で、地学的理由で決まってくる。茨城県は温泉が少ない県になり、温泉めぐりの旅番組でもほぼ出て来ない。最近は深く掘れば温泉になるから、温泉を称する宿はずいぶんあるけど、あまり知られていない。筑波山の旅館が近年温泉になったのと、袋田の滝近くの袋田温泉、もっと北にある大子(だいご)温泉ぐらいしか温泉ガイドにも出て来ない。
そんな中で県北の北茨城市、五浦(いづら)海岸に立つ五浦観光ホテル別館大観荘は、太平洋が一望できる展望抜群の露天風呂が源泉掛け流しの素晴らしい旅館だった。関東ではある程度知られているが、全国的には知られていないと思う。大体、茨城県は県の魅力度ランキングなんかで、いつも最下位を(北関東の隣県と)争っているところだ。まあ、全国に聞けば京都、北海道、沖縄なんかが上になるのも当然。関東近くの県は忘れられがちだ。そんな中でも茨城は筑波山、袋田の滝、水戸の偕楽園や史跡なんかしか取り上げられない。(近年は国営ひたち海浜公園という目玉も出来たけど。)
(五浦観光ホテル別館大観荘の露天風呂)
ここへ行ったのは大分前だけど、やっぱり年末だった。ここだけではなく、先にいわき市のスパリゾートハワイアンズに泊まった。一度ぐらい行ってもいいかなと思ったわけ。大温泉プールやフラダンスばかりではなく、温泉そのものが結構いい。今は大露天風呂も出来ている。大浴場はもちろん源泉掛け流し。どうも大昔の「常磐ハワイアンセンター」とつい言っちゃうんだけど、なかなか良かった。しかし、年末近くなって、いろいろな文化施設はもう閉まっていた。南下して北茨城に至るも、年末感が漂う。早めに五浦観光ホテル別館大観荘に着くが、ここはとにかく絶景である。
(五浦観光ホテル別館大観荘)
別館というんだから本館があるわけだが、そっちはほとんど知らない。温泉ガイドなんかには、別館ばかり載っている。大観荘というのは、大展望ということじゃなく、横山大観である。五浦海岸と言えば、明治の終わりに岡倉天心が日本美術院をここへ移したことで知られる。大観ばかりでなく、下村観山、菱田春草らがここに集い、日本画の聖地となっている。岡倉天心の墓もある。天心が自ら設計して思索にふけった「六角堂」が有名だ。その時は年末で閉鎖されていて、遠望するしか出来なかった。東日本大震災の津波に流されてしまい、1年後に再建された。再建後に見に行ったが、元の六角堂を間近に見られなかったの残念。
(六角堂)
ホテルを出て海岸を歩くと、海がグルリで絶景である。福島県、茨城県から千葉県に掛けて、ずっと美しい海岸が広がっている。特に国立公園、国定公園などには指定されていないので、関東の人でもあまり知られていない。海へ行くなら伊豆、湘南か南房総になってしまう。ところで冬の茨城は、あんこう鍋。北茨城にはあんこう鍋で知られる宿が多い。この時も出たはず。他にも野菜や果物、畜産物がいっぱいあって、茨城県の道の駅の豊富さは見事なもんである。料理も風呂も素晴らしいうえに、立地条件抜群の五浦観光ホテル別館大観荘は北茨城観光の拠点だろう。
さて北海道、東北と来て、次は関東地方なんだけど、関東はなあ、スルーしようかなと思った。それはまあ草津や伊香保、鬼怒川や塩原、あるいは箱根、湯河原など有名な温泉は幾つもある。僕が大好きな四万温泉や日光湯元温泉なんか、今まで何度も書いている。しかし、今回はそういう大旅館が並ぶ温泉は抜かすことにしている。秘湯系では群馬の法師温泉、栃木の大丸温泉などでもいいんだけど、有名だし、今ひとつ感がある。関東地方は人口最多の首都圏があるから、豪華旅館から格安旅館までいろいろとそろっている。でも、その割に特徴がない気がする。(まあ奥鬼怒温泉郷があるけど、実はまだ行ってない。)
でも、そう言えば温泉ではほとんど触れられることがない茨城県から一つ選ぼうと思いついた。温泉の多い地帯は火山との距離で、地学的理由で決まってくる。茨城県は温泉が少ない県になり、温泉めぐりの旅番組でもほぼ出て来ない。最近は深く掘れば温泉になるから、温泉を称する宿はずいぶんあるけど、あまり知られていない。筑波山の旅館が近年温泉になったのと、袋田の滝近くの袋田温泉、もっと北にある大子(だいご)温泉ぐらいしか温泉ガイドにも出て来ない。
そんな中で県北の北茨城市、五浦(いづら)海岸に立つ五浦観光ホテル別館大観荘は、太平洋が一望できる展望抜群の露天風呂が源泉掛け流しの素晴らしい旅館だった。関東ではある程度知られているが、全国的には知られていないと思う。大体、茨城県は県の魅力度ランキングなんかで、いつも最下位を(北関東の隣県と)争っているところだ。まあ、全国に聞けば京都、北海道、沖縄なんかが上になるのも当然。関東近くの県は忘れられがちだ。そんな中でも茨城は筑波山、袋田の滝、水戸の偕楽園や史跡なんかしか取り上げられない。(近年は国営ひたち海浜公園という目玉も出来たけど。)
(五浦観光ホテル別館大観荘の露天風呂)
ここへ行ったのは大分前だけど、やっぱり年末だった。ここだけではなく、先にいわき市のスパリゾートハワイアンズに泊まった。一度ぐらい行ってもいいかなと思ったわけ。大温泉プールやフラダンスばかりではなく、温泉そのものが結構いい。今は大露天風呂も出来ている。大浴場はもちろん源泉掛け流し。どうも大昔の「常磐ハワイアンセンター」とつい言っちゃうんだけど、なかなか良かった。しかし、年末近くなって、いろいろな文化施設はもう閉まっていた。南下して北茨城に至るも、年末感が漂う。早めに五浦観光ホテル別館大観荘に着くが、ここはとにかく絶景である。
(五浦観光ホテル別館大観荘)
別館というんだから本館があるわけだが、そっちはほとんど知らない。温泉ガイドなんかには、別館ばかり載っている。大観荘というのは、大展望ということじゃなく、横山大観である。五浦海岸と言えば、明治の終わりに岡倉天心が日本美術院をここへ移したことで知られる。大観ばかりでなく、下村観山、菱田春草らがここに集い、日本画の聖地となっている。岡倉天心の墓もある。天心が自ら設計して思索にふけった「六角堂」が有名だ。その時は年末で閉鎖されていて、遠望するしか出来なかった。東日本大震災の津波に流されてしまい、1年後に再建された。再建後に見に行ったが、元の六角堂を間近に見られなかったの残念。
(六角堂)
ホテルを出て海岸を歩くと、海がグルリで絶景である。福島県、茨城県から千葉県に掛けて、ずっと美しい海岸が広がっている。特に国立公園、国定公園などには指定されていないので、関東の人でもあまり知られていない。海へ行くなら伊豆、湘南か南房総になってしまう。ところで冬の茨城は、あんこう鍋。北茨城にはあんこう鍋で知られる宿が多い。この時も出たはず。他にも野菜や果物、畜産物がいっぱいあって、茨城県の道の駅の豊富さは見事なもんである。料理も風呂も素晴らしいうえに、立地条件抜群の五浦観光ホテル別館大観荘は北茨城観光の拠点だろう。