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キャスターやコメンテーターとして活躍中の「鳥越 俊太郎」 氏が、がん患者となった自らを「客観的に観察し、記録として残す」として書き上げた本です。
がんに関する本は、数え切れない程出版されていますが、ほとんどが「医療関係者としての立場」から「がんという病気に対する詳しい説明が書かれたものであったり、「がん患者自身」の書いたものは、病気の進行と戦う心境や家族への思い・・・なんかが多いように思います。
でもこの本は、ご自身の「がん」がどういう状態で発見され転移をし、治療をどうしたか、告知をどう受け止めて、家族との絆を深めたか、治療を継続しながら仕事をどんな気持ちで続けていたか・・・etc,
細かくきちんと記録されていらっしゃいます。
とても分かり易く書かれた文章で、もし私が「がん」と宣告をされたら、担当医に「こう聞いてみよう」「こんな治療方法も試してみたい」「自分で選択することが大切」・・・等々、とても参考になる本でした。
勇気を持って、「がんを告白」し、ここまで書いてくださった鳥越さんに感謝したいと思います。
「あとがき」の一部をご紹介しておきます。
「人間は自分ががんに侵されているとわかったとき、何を考え、治療ではどのような難問に遭遇し、何を痛み、どのような辛さを抱えて生きて行くのか?
そのとき最も身近にいる家族は何を思うのか?(中略)
自分ががん患者になった以上、冒頭にあげたような疑問に応えようと思った。
「取材者・鳥越」が、「がん患者・鳥越」をできるかぎり客観的に観察し、記録して残したいというおもいでもある」