「夜光観覧者」 著 「湊 かなえ」~~。
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著者の湊さんのデビュー作「告白」が、「週刊文春08年ミステリーベスト10」で第一位になり、映画化されてすごい人気にもなりました。
この本も、一昨年連続ドラマとなったようですが・・・私は見ていません。
《 ある都市で高級住宅地として開発された一角に住むエリート一家で起きた「殺人事件」。夫が妻に殺されるという事件は、その家の前に住む「背伸びした家族」の生活にもからんでくるのです。
父親が母親に殺されたことで、遺された三人の子どもたちが、このことをどんな風に考え生きていくのか・・・。
向かいに住む一家も、家庭内暴力という問題を抱えて、この事件を見つめます。
そして、古くからこの地に住み、後から来た余所者に「この高級住宅地の品位」を落とされることを懸念する主婦。
それぞれが、世間体を気にしながら、今の生活を守るために必死になった結果、世間のうわさになってしまいます 》
読後、まず思ったのは「もっと楽に生きればいいのに・・・」でした。
こんな風に「見栄」や「世間体」で、「わが子への要求を高く持ちすぎたり」「うそを重ねたり」する人たち・・・小説の中だけではなくいますね・・・。
「家族のあり方」「家庭のあり方」「人生の送り方」~~~いくつもの「考えること」を提供してくれた内容ではありましたが・・・小説としては、何だかモヤッ~として感じでした(苦笑)。
殺人事件の犯人が最初から分かっているので、「真相」を解明する犯人の供述なんかがあるのかと思ったら、まったくない!
周囲の人たちの推測だけ・・・、
読み手が、自分なりに考えて、納得したり、反省したりすることでいいのかもしれません。