「オレンジの壷」(上下) 宮本 輝 著
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久々の読書感想文です(笑)
(今年になっても、ボランティアの行き帰りの電車の中で何冊かは読んでいましたが・・・あまりおもしろくなかったり、印象に残らなかったのでUPしていませんでした=苦笑)
この本、宮本 輝 氏の文章だけに「読みやすい」~~♪
結婚一年足らずで離婚した女性が主人公です。
別れる時、夫から「女としての魅力も、人間としての味わいもがまったくない」と言われ、落ち込み、人生を前向きに生きることのできない彼女。
そんな時、祖父から「遺品」として残された日記のことを思い出すのです。
その日記に書かれた内容の真偽の確認をすることが「生きること」に繋がるかもしれないと、パリへ旅するお話しなんですが・・・。
日本が関わった大きな戦争と戦争の間の話で、彼女にとっても生まれる前の時代のことになります。
日記に書かれた人々の多くは亡くなっているし、その時代の世界の背景や状態を正しくとらえることも難しいはず・・・。
「スパイ」とか「諜報機関」とかの言葉も出てくることから、「推理小説かな?」と思っていたのに、結局最後まで真実は解明されないで終わっていますが、それもありかと~~(苦笑)。
それは、主人公が「解明しないでおこう」という意志があったのだと思います。
解明することが目的でなく、日記を通して「祖父と会話」しながら、「新しい人生に向って強く生きていきなさい」というメッセージを、祖父から受けたのでは~~と、考えました。
それにしても、海外旅行~~~行きたい!(笑)