ピンク映画が本番のドキュメンタリーであるAVとは似て非なるもので、あくまで作り物を本物であるかのように見せる一種古典的な「映画」であることがわかる。
一種の痛快にデタラメな業界体質も、昔のカツドウヤのそれの再生みたいなところがあるかもしれない。
ピンク映画監督の人となりが現代に近くなるに近づいておとなしくなるのが時代を語る。何しろ、足立正生みたいにれっきとした「テロリスト」として指名手配されていた人がいたのだから。また、戦争に行ったことのある客が一番興奮するのがレイプ、というのもなんか怖い。
かなり長いけれど、取材・構成ともに丹念で飽きさせない。
渡辺護と若松孝二が互いの「悪口」を言い合うのを早送りにしたところを見たくなるが、「ここ、カットね」なんて言われても単純にカットしないのが演出の工夫であり「あるものをないことにする」テレビ的演出のアンチとも見える。
前張りというのが実際の撮影現場ではどんな風に写るものなのか、とか知っているつもりでわかっていなかった。本当に局部がまったく見えず、喘ぎ声のアフレコのなんだかまじめな可笑しさとともに完全な作り物ぶりをよくわからせる。
(☆☆☆★★)
本ホームページ
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一種の痛快にデタラメな業界体質も、昔のカツドウヤのそれの再生みたいなところがあるかもしれない。
ピンク映画監督の人となりが現代に近くなるに近づいておとなしくなるのが時代を語る。何しろ、足立正生みたいにれっきとした「テロリスト」として指名手配されていた人がいたのだから。また、戦争に行ったことのある客が一番興奮するのがレイプ、というのもなんか怖い。
かなり長いけれど、取材・構成ともに丹念で飽きさせない。
渡辺護と若松孝二が互いの「悪口」を言い合うのを早送りにしたところを見たくなるが、「ここ、カットね」なんて言われても単純にカットしないのが演出の工夫であり「あるものをないことにする」テレビ的演出のアンチとも見える。
前張りというのが実際の撮影現場ではどんな風に写るものなのか、とか知っているつもりでわかっていなかった。本当に局部がまったく見えず、喘ぎ声のアフレコのなんだかまじめな可笑しさとともに完全な作り物ぶりをよくわからせる。
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