実相寺昭雄の遺作になってしまった一編。
オリジナルのシルバー仮面は弱いんで有名だったのだが、女性という設定にしたのはそのせいかどうか、森鴎外が留学先で「舞姫」に生ませた娘、という「帝都物語」的奇想天外というかトンデモな話で、しかも敵役がカリガリ博士と眠り男チェザーレ(にして蜘蛛男)で、「ウルトラマンティガ」の「花」みたいな歌舞伎調の戦いを立ち回りを繰り広げるのだから、普通の感覚ではついていきずらい設定。
例によって凝りに凝った映像と音響で一応楽しめるが、またですか、という観は否めない。主役のニーナは日本語のセリフは棒読みでドイツ語のセリフは吹き替え。
趣向が盛りだくさんな割りに、リズムやテンポが鈍い。
(☆☆☆)