ポランスキーの習作短編集より。
海の中からタンスを担いだ二人の男が上がってきて、街のあちこちに担いで歩くが、電車に乗るにもレストランに入るにも邪魔がられて、しばしば暴力を振るわれる。時には二人とは関係なしに暴力沙汰が繰り広げられているそばを通ったりもするが、結局またタンスを担いだまま海に帰っていく、という短編。
タンスに貼られた鏡の使い方が工夫に富んでいて、割れるのを含めて文字通り世界を映し出しているようなシュールとも詩的とも言えるセンスが伺える。
ポランスキー自身も出演していて、大男に主人公を押さえつけさせておいて殴るというチビの役。後の「チャイナタウン」の時の特別出演そのまんま。
クシシュトフ・コメダのジャズ音楽がすばらしく、この頃はジャズは自由とか反抗とかのイメージが強かったように思う。