prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「カシム・ザ・ドリーム」

2010年06月03日 | 映画
「松嶋・町山の未公開映画を見るTV」にて。

内戦中の(今でもそうだが)ウガンダで6歳で誘拐されて少年兵にされたカシム・オウマが、ボクシングの才能に恵まれていたので海外に出られたのを機にアメリカに亡命してチャンピオンにまで上り詰め、なんとか特赦を受けて祖国に帰るまでに至るのを追ったドキュメンタリー。

父親が「脱走兵」の家族というので殺されているのを知るあたりは見ていていたたまれなくなる。

故郷に戻ったオウマが、子供による虐殺(子供を虐殺するのも当然伴っているだろう)を、忘れないようにと子供たちに演じさせている芝居のリハーサルを見るシーンがなんともいえない感じ。
日本だったら、こういう芝居をさせるというのは子供に悪影響を与えるとクレームが来るだろう。

映画に出てこない話が映画の内容に輪をかけて厳しく、精神的な救いを求めてマリファナを使うと甘いものが欲しくなるので減量できなくなり、このところは勝てなくなっているという。

残念ながら、ウガンダでは今でも別の反政府組織のLRA(Lord's Resistance Army)が子供を誘拐して兵士に仕立てており、実にLRAの九割が子供で、十字架の形に進軍すれば(どういう風に進むんだ?)弾丸に当たらないと教え、迎え撃つ側も子供を撃つのは難しいというサイテーきわまる状況があると町山氏が解説する。


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Kassim The Dream 公式サイト