prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「イージー・ライダー」

2010年06月17日 | 映画

デニス・ホッパー追悼放映でBS-hiで見た。一つの時代を画した映画だけれど、意外なくらい古くなっていない。むしろ前に見た時の方が古めかしく見えた。

一つには、こっちのプリントの方が綺麗だったから。夕陽のモニュメント・バレーを捉えたカット(撮影・ラズロ・コヴァックス)など、ストレートに西部劇に連想が飛び、全編アメリカの広大さを実感させるうち、なんで主人公二人がワイアット(・アープ)とビリー(・ザ・キッド)になんて名前がついていたのか、なぜアメリカ国旗をしょってるのか、などがすんなりつながる。

このアメリカ映画に革命をもたらしたカメラマン、ラズロ・コヴァックスが、亡命ハンガリー人というのがおもしろい。アメリカ映画の風景というのは、常に「新参者」によって発見されてきたともいえる。

それと、出てくる街がどれも田舎で、40年経っても都会部みたいな激変はあまりしていないのも意外と古くならない理由だろう。

「南部の目」の非寛容性、というのはそんなに変わっていないし、よそ者をリンチするというのは、よその地に出て行って今でもやっている。
また、今だったらドラッグを正当化しているという批判は、もっと強く受けると思う。ホッパー自身が死に掛けましたからね。

ホッパーは日本のCMでペンギンの着ぐるみを着てたりして、本当かどうか知らないけれどマネージャーがミスター・ホッパーにこんな格好させるなんてと怒ったのを当人は平然たるものだったとか。