1959年のロバート・アルドリッチ監督作。「悪徳」「攻撃」に続くジャック・パランス主演。
第二次大戦後のベルリンで不発弾処理にあたる元ドイツ兵たちの物語。といっても、全員英語を話しているし、英語圏の俳優ばかりなのでニュアンスはゼロ。
それにマルチーヌ・キャロルとのロマンスが絡むが、こちらもヨーロッパ的なニュアンスは出ていない。
全員の報酬をプールしておいて、誰か死んだらそのぶん分け前が増える、というシステムで、実際一人また一人とあるいは爆死しあるいは倒壊した建物の下敷きになって死んでいく。
不発弾処理といってもヘルメットひとつつけるでなし、技能に応じて報酬が増えるわけでもないのだから敗戦国だからとはいえひどい待遇。
「ハート・ロッカー」みたいに処理班の主観に密着した描き方ではなく、克明な客観描写をゆっくりと積み重ねていく「恐怖の報酬」的手法。爆弾の構造が実際にあんなに無骨だったのかと思わせるくらい無愛想な鉄の塊。
全額戦争未亡人のために寄付しようではないかと隊長パランスが言い出すが、副隊長格のジョセフ・チャンドラーが「まず自分のことを考えろ」と叔父から受けた教えを盾に拒絶する。
この二人が協力して不発弾処理にあたるのがクライマックスなのだが、反発しつつ協力するという設定が必ずしも生かされないのは残念。
カラリゼーション版だが、色を落として白黒にして見た。本来の白黒になりきらないのが残念。
(☆☆☆)