「ローマの休日」をもじった日本タイトルや予告編から、新しく選出されたローマ法王(教皇と呼んでほしいらしい、王様ではないということで)が逃げ出してしまい、また責任を自覚して帰還する話かと思ったら、違うのね。
ヘプバーンは架空の国の王女だったからおとぎ噺にできたけれど、ローマ法王は厳然と実在する10億人の信仰を集める権威なわけで、その分シリアスになっていて、これでいいのかな、と思わせます。
監督のナンニ・モレッティ自身が演じる精神科医が新法王の診察をするときでもぐるっと枢機卿やら司祭やらに取り囲まれているのが息苦しくも可笑しい。医者が手をつけるのは法王よりその周辺です。
日本人を含めて世界中の国と人種が集まっているのがわかる。
(☆☆☆)