ほとんどというのはエンドタイトルが出てからのさまざまな人間の感情のキャラクターたちが出てきて、だいたいそこでは五つのキャラクターがひとつの感情に染まってしまっているというくだりにはナルホドと思えて笑えたからだ。
昔のトムとジェリーなんかで、悪魔の恰好をしているトムと天使の恰好をしているトムが頭の両側に現れてそれぞれ囁くものだから善悪の間で揺れるという場面なんていうのがあったわけだが、感情は同じ人間のさまざまな面がグラデーションをなして絶えず入れ替わるものだと思うので、それが完全に独立したキャラクターになっているというのはどうにも違和感が強い。
そしてその中で歓びが一番の地位を最初から与えられているというのはディズニー系としては譲れないところでもあるだろうけれど、なんか悲しんだり怒ったりしてはいかんのか、もちろん作劇としてはちゃんとフォローはしているけれど、妙にムッとする。ネガティヴな感情の扱いや居場所の配慮というのが精神分析的というか、割り切りすぎて納得できないのだな。
何よりヒロインの女の子がすべての感情に無自覚なまま、というのでは成長物語になっているのかどうかも疑問。
(☆☆☆)
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映画『インサイド・ヘッド』 - シネマトゥデイ