70年代のハプニングやサイケといった流行というのはこういうものかなと思わせる。
ちょっと今見るとアタマがくらくらする。
もともとの殴り書きのような、しかし欲望と憤懣とアナーキズムがごっちゃになった絵にさらに色と動きをつけるのだから、混沌そのもの。
アメリカのラルフ·バクシの「フリッツ⋅ザ⋅キャット」みたいに当時のストリートの匂いとカオスとやけっぱちみたいな、しかも性描写がやたらとあからさまな成人指定アニメ。
ただし日本では共に興業的に大失敗だったらしい。エロアニメとして楽しむにしてもあまりにガサガサしているせいか。
そのため製作会社は解散、長いこと見ることができなかったのが2019年にDIGレーベルでDVDが出たという次第。
今や成人指定アニメは珍しくないどころか佃煮にするほどあるが、だいたいロリ系ではないか。いちいちチェックしているわけではないが、こういうやたらと暑苦しい昭和の男の欲望の対象そのまんまというのはあまりないのではないか。
まとまったストーリーなどなくてちぎっては投げ式の場面の羅列で長編はキツい。
製作過程自体が原作から映像になりそうな部分を抜き出して各パートが自由にというか勝手に膨らませて作ったらしい。
昭和センスというか、酔っぱらいが立ち小便するのが当たり前の時代だったのだな。