実在の画家の作品をモチーフにアニメを作るという発想がまず面白い。
画とすると日本のアニメに慣れた目にはぎこちなく粗っぽいように見えるが、そのうちこういう画でもアニメが成り立ちうるかのかという蒙を拓かれる感にうたれる。
片渕素直監督などは世界的な潮流からするとアニメこそこういう一種重い内容、大人が見るべき内容を取り上げるのであって、日本にあるのはいつまでたっても思春期のつもりでいる人向けのアニメばかりということになる。
収容所など出てくるところからして第二次大戦頃かと思ったら、スペイン内線で大勢がフランスに亡命してきた頃の話。
被害者側だけでなく加害者側まで取り込んでいる視点の広さ。