prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ブラック・ライダー(1972)」

2022年11月05日 | 映画
黒人(アフリカ系)スターとして画期的な功績を残したシドニー・ポワチエの初監督作。
共演のハリー・べラフォンテも「拳銃の報酬」をプロデュースしたり、公民権運動に積極的に関わってきた人。

奴隷になっていた黒人たちを新しい土地に連れてきて解放する案内役がポワチエで、これを連れ戻そうとして従わないと殺す白人の悪者たちをニセ牧師のベラフォンテと協力しながら倒すシンプルな話。

ふたりに協力するのが先住民の部族というのがいかにも70年代の公民権運動の時代の産物という感じで、今の目で見ると正直先住民イメージがストレートすぎてちょっと鼻白む感もある。白人から見た「インディアン」なのだね。
先住民といっても言葉も風俗習慣も、つまり文化は全部違っていてごっちゃにするのは乱暴というのが認識されてきたのはかなり最近のことだから仕方ないのだが。

良くも悪くもスターイメージとして優等生的な振る舞いを要求され、また実行したポワチエと、役としてはちゃらんぽらんなベラフォンテとのバディものとして定型を守った手堅い作り。

ソードオフ(短く切った散弾銃)は屋内に集まってポーカーをやっている連中を一気に撃ち倒すには効果を発揮するが、後半屋外でも使うのは珍しい。