インド映画ではあるけれどスペインを横断して各地の祭りを見て回る観光映画でありロードムービーでもある。
トマト祭りや牛追い祭りなどの実写を取り込んで、特に牛追いなどどうやって撮ったのかと思わせる。
初めのうちいつも悪ふざけ気味のキャラがあまりにシャレにならない許しがたい悪ふざけをするもので、キャラクターばかりかこういうキャラを放っておく映画の作り手にも問題ありはしないかと思うくらいなのだが、これが終盤でそっくり許す、という一点で見事に反転して着地する作劇の見事さ。
インド映画というと長いのが通例で、マサラムービーのように歌や踊りがえんえんと入るから長くなるという印象だったが、この場合は個々のキャラクターを書き込んでそのひねった着地まで追っているのだから長くなった感がある。
終盤、野宿するあたりの風景がマカロニウエスタンでアメリカ西部に見立てられてロケされたような荒野だった。たぶん近い場所のだろう。