prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ポーラー・エクスプレス」

2004年12月20日 | 映画
大体、北極号なんて現実にありえない列車に乗っていくのにまだサンタを信じるかどうかなんて言っているなんて、バカではないか。サンタを信じるかどうかが夢や想像力をなくさないでいられるかの決め手みたいな押し付けがましい描き方。
白けるといえば、主人公が人が望みも頼みもしないことを勝手にやってトラブルを起こし、それをまた善意のホーボーに助けてもらうというパターンが繰り返される。これまた善意の押し付けの連鎖。そんな押し付けに反発する方が健全だし、子供らしくもあると思う。

モーションキャプチャーというのか、人間の生の動きを取り込んでキャラクターデザインも人間の姿を写したCGなのだが、なんだか動くロウ人形の館に放り込まれたみたいで気色悪い。
重力の感覚が薄れるもので、ダンスシーンや列車から落ちそうになるシーンが不自然。

撮影監督directed of photography byというタイトルが出るが、photographって実写映像は表にはまったく出ないのに何をしたのだろう。
トム・ハンクスほかキャストが数役を演じ分けているが、表に出ているのがCGなのだから変身の楽しみは薄い。

昔「サンタクロース」という映画があってクリスマスイブを過ぎたらがたっと客足が落ちたというが、これはその前から落ちている感じ。今年いっぱいの上映で、来年元旦からは「カンフーハッスル」になるという異例の編成。
(☆☆★★★)


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2 コメント

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モーションキャプチャー (Tanu2)
2004-12-28 08:03:15
APPLESEEDっつーCGアニメがまさにそれで、生身の人間の動きを取り込んで作ってんのに、操り人形みたいな感じ。

あれはなぜでしょうね?

リアルとリアリティは全く別モノなんですね。って今さらいうこっちゃないですが(笑)なんかCGの発達って映画のレベルを過去に引き戻してるよう。トーキーの出現でサイレントで積み上げたものが、カラーの出現でモノクロで積み上げたものが一旦やり直しになったのと同じで、三歩進んで二歩下がるって感じ。新しい技術は物事の本質を見失う危険性をはらんでんですね~。
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R>Tanu2さま (prisoner)
2004-12-29 07:27:49
アニメ版の「指輪物語」が実写の動きをアニメに写すロートスコーピングって技法を使っていて、キャラがどれもゾンビみたいに見えていましたね。



これ、吹き替え版の方が字幕より倍以上の動員があったとか。そうなると、なんでキャラがトム・ハンクスである必要があるのかますますわかりませんね。

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