prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「雪の花 ともに在りて」

2025年02月04日 | 映画
小泉堯史というとまず黒澤明の弟子としての印象が強いが、強いて自己主張するのではなく今でもスタッフの一員としてあり、とにかく丁寧な仕事ぶりを彼らから引き出すというか、言われなくても丁寧な仕事をするスタッフの集団に中にいる印象。
日本の美、風景美、建築美、衣装美ほか掛け軸ひとつにも神経が行き届いている。

疱瘡を生で見せずに絵で代用しているのは良くも悪くもグロを避けたということか。

チンピラたちを叩き伏せたり、「赤ひげ」のパロディめいたところがある。世の関節が外れているのだといった「ハムレット」っぽいセリフは「蜘蛛巣城」「乱」といったシェイクスピアの翻案への連想を誘う。

「赤ひげ」でいうとまず加山雄三が三船敏郎の赤ひげに反抗してから次第に心服していくのがドラマになるのだが、初めから心服しているみたい。

セリフが聞き取りやすいのは黒澤に似なくてよかった。






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