最初はただのホームレスの絵描きを撮りだしたようなのだが、これがどんどん話が膨らんでいって、第二次大戦中の日系人の強制収容所にまで行ってしまうのが、ドキュメンタリーならではの予想できない展開。
過去は過酷なのだが、それでも描く猫の絵そのものはなんだか軽い飄々としたタッチで、ジミー・ミリキタニ自身もどこか仙人みたいな風貌、だから監督も自分の家に連れて行ったりしたのだろう。
ただ、その裏にはアメリカの社会保障番号やパスポートを拒否しているようで、だからといって日本に行くわけでもない、どっちにつくこともできない立場もある。
ミキリタニが来年は10万人がホームレスになるだろう、とミキリタニが語る。実際その通りになったみたい。