prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「キッズ・オールライト」

2011年06月04日 | 映画
レズの夫婦、というのが外部の目にはどう映っているのかは完全にオミットしている。働き先や学校でどう見られているのか、秘密にしているのか。比較的さばけた人だけが出てくるのは気になるが、それに囚われていると見えてこないものを描いているのも確か。

ジュリアン・ムーアのサメ肌がどうも気になって困った。
エンドタイトルに出ていたスタンド・インがアネット・ベニングとミア・ワスコウスカの母娘ふたりを一人でやっているけれど、ふたり一緒に出ているシーンはかなり多いのにどうやったのだろう。
(☆☆☆★★)


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「GO ! GO ! ガジェット」

2011年06月03日 | 映画

重傷を負った男を改造するのは「ロボコップ」、マンガをCGで実写化するのは「マスク」と大ヒット映画の要素をとりこんで、しかもディズニーの看板しょってなんで劇場未公開になったのだろう。
もっともアチラの評価はむちゃくちゃに悪くて、Rotten Tomatoで100点満点で21点、IMDb10点満点で3.9点といった調子。そこまでひどい出来とは思わなかったが。

ディズニー製の奇想天外発明コメディには「フラバー」とか「ラブバック」みたいにメインになるアイデアはひとつでそれをどう変奏していくかに工夫を凝らしていたのだけれど、ここでは日本の携帯電話みたいにやたらいろいろな機能が装備されていて、肝腎なところで使えたり使えなかったり、それが何が原因がわからなかったりで使いこなしきれていない感じ。
(☆☆☆)

「精神」

2011年06月02日 | 映画

見たところ歴然と病気とわかる人は少ない。比較的状態の良い時を撮影したからかもしれないが、撮る側がびくびく自主規制してモザイクをかけることでかえってどれくらい「異常」なのかと「期待」させていたのがわかる。

患者たちが太っている人が多い。運動不足のせいか食生活のせいか薬の副作用か、たぶんすべての気がする。
前はけっこう声をかけられたという女性の昔の写真を見たら、本当にけっこう美人なのにびっくり。元TBSの進藤晶子アナウンサー似というか。

患者がえんえんと自分のことを訴え続けるシーンが多い。おそらく、ほかの場所では病院を含めて聞いてもらえる場所がないのではないか。

想田監督の前作「選挙」に小泉純一郎が応援演説するところが出てきたが、ここでは「障害者自立支援法」という名の切捨て法案について患者が「よくぞやったな小泉」と言うシーンがある。
ナレーションがまったく入らない「観察映画」のコンセプトは「選挙」と一緒だが、患者=被写体がカメラ=記録者に向かってえんえんと訴えるところが多い分、記録者の存在はより明確で「無色透明」ではまったくない。



2011年5月に読んだ本

2011年06月01日 | 
prisoner's books
2011年05月
アイテム数:12
うつと気分障害 (幻冬舎新書)
岡田 尊司
読了日:05月03日
心の潜在力 プラシーボ効果 (朝日選書)
広瀬 弘忠
読了日:05月03日
思い出トランプ (新潮文庫)
向田 邦子
読了日:05月03日
クリント・イーストウッド―ハリウッド最後の伝説
マーク エリオット
読了日:05月05日
ナンバ走り (光文社新書)
矢野 龍彦,金田 伸夫,織田 淳太郎
読了日:05月13日
響きあう脳と身体 (木星叢書)
甲野善紀,茂木健一郎
読了日:05月13日
野口体操からだに貞(き)く
野口 三千三
読了日:05月13日
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「ブラック・スワン」

2011年06月01日 | 映画
ホラーがかったドラマかと思ったら、ほぼホラーでした。バレエとホラーって相性がいいみたいで、「サスペリア」はバレー学校が舞台だったし、「エトワール」というのもあったし、近くデジタルリマスター版がリバイバルされる「赤い靴」も実は相当に怖い。
もっとも完全なホラーではなくて、設定や人物やストーリーはどれもむしろ良くも悪くも少女マンガ的に通俗的、もっと言えば俗悪といっていいくらいなのに、なんか微妙にお高くとまっているみたいなところあり。

バレーを撮るのにフルショットではなくてアップ主体なのは、バレーそのものを描くのではなく、あくまで背景にしている感じ。ナタリー・ポートマンが実際に踊っているのいないのと話題になったりもしたが、あまり本質的な問題とは思えない。今のデジタル技術だと顔だけ別人にすげ替える、なんてことできますしね。
クライマックスの黒鳥になりおおせる場面を芝居やバレーそのものではなくてCGで表現するというのは、「絵解き」になりすぎていて不満。

代役になる女の子との確執が途中から浮上するけれど、大きな役では代役を初めから用意しておくのが当たり前ではないか。せっかくつかんだ主役の座を奪われるのではないかという不安を強調するためにせよ、不自然に見えた。
不自然といったら、オナニーシーンで途中でいきなりそばに母親がいるのに気づくけど、初めにまず母親にばれないか気を配らないか。(あるいはヒロインのイメージ・シーンということなのかもしれないが)

酒場での会話でチーズがどうとか言うのは性的な含みがあるのだろう。女のヌードのことを英語のスラングでチーズケーキと言うらしい、ちなみに男のはビーフケーキ。
(☆☆☆★★)


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ブラック・スワン [DVD]
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