日本でも過激派の映画はいくらか作られているが、ここで描かれるドイツでの体制側の射殺をまったく辞さない弾圧の激しさからすると、ずいぶん情緒的に見える。
もっとも日本だってあさま山荘事件の映像を封印したり、死体を掘り出したのをいったん埋めてテレビに効果的に映るよう掘り返した、という噂があったりと、体制側がぬるいってことはなく、真綿で首を絞めるような手口が違うだけだろうが。
日本でいう団塊の世代の作り手たち(プロデューサー・脚本のベルント・アイヒンガーが1949年生、監督のウリ・エデルが1947年生)がまさに同時代人としての過激派を描く、というのは日本ではなかなか見られない。
弾圧される側があまり感情移入しやすいように描かれていないのが、作り手の覚悟が見られると思う。