prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「小川の辺」

2011年07月18日 | 映画
配役序列が二番目な割りに菊池凜子の出番が少なすぎ。
もっぱらセリフの中で描かれて、クライマックスに至る前に東山紀之と妹の菊池が一緒に出てくる場面はなかったのではないか。
彼らと東山の従者の勝地涼とのいきさつは子役を使った回想として描かれるから、それに対応するクライマックスの上位討ちのあとの三人のやりとりは、題名になっている川のほとり、という点からも対応関係は明白なのだが、出てくる役者が違うのだからニュアンスがいまひとつ出ない。

出番が少ない分、気を持たせた割にいざ出てきた時の膨らみや魅力に乏しい。

それに、夫と兄の斬り合いなど見せたくない、という勝地の配慮で菊池の留守中に乗り込むのだが、いくらふだん半刻は帰ってこないとはいえ、その日はどうなるかわからないのだから、菊池が帰ってこないように見張るなり仕掛けるなりしないのか、と気になった。

藤沢周平らしい日本的な風景、建築、風俗などはまことに丁寧に描かれていて、丁寧すぎて少しまだるっこく感じられるくらい。
(☆☆☆★)

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