豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

“軽井沢の肖像”

2006年08月16日 | 軽井沢・千ヶ滝
 
 お盆の真っただ中の8月11日から16日まで、軽井沢に行ってきた。
 Uターンラッシュを避けるために、今朝5時30分に千が滝を出発。軽井沢から碓氷峠を下ったあたりまでは(といっても上信自動車道だが)霧の中を、その後は時おり前を行く車のテールランプすら霞むほどの土砂降りの雨の中を今しがた帰宅した。

 普段の夏は、人ごみと車の渋滞の凄まじさを敬遠して、お盆の最中は旧軽やショッピングプラザはおろか、国道18号やバイパスにすら出ることなく家でじっとしているのだが、今年の夏は関西に住む歯科医の義姉がこの期間しか休みが取れないというので、がんばってお盆の軽井沢を経験することにした。
 8月12日は、事前にショッピングプラザの下見。
 とにかく先手必勝!ということで、9時30分にはウエストの駐車場に入ることにした。まだ駐車スペースには余裕があったが、この時間でもすでに晴山通りの路上駐車スペースは満杯。
 11時30分ころ、雷が鳴りはじめ、にわかに雲行きが怪しくなったので、あわててクルマに戻り傘を取って戻るのと同時くらいに大粒の雨が降り出したので、退散。この頃には、すでにウエストの駐車場は満車で、私たちの車が出るのを待っている車が何台もあった。
 立ち寄ったツルヤの駐車場も満杯で、店舗入り口から一番遠いバイパス沿いにしか空きがなく、仕方ないので車中で雨宿りをした。15分くらい経ってようやく小降りになったので、店内へ。前回の8月初旬の爺むささとはうって変わって、若い層も含めた家族連れなどでごった返していた。
 写真はそのとき、ツルヤを出て、中軽井沢駅西の踏切に向かう道すがら撮ったもの。踏切を渡った国道との交差点が渋滞していて、一寸刻みだったので、車の中からでも撮影することができた。

 その後12日から15日までの出来事は改めて書くことにするが(“2泊3日の軽井沢案内”)、女房と義姉が買い物やドライブをしている間、私は家に戻って読書(といっても勉強の本)とDVD三昧で時間を過ごした。

 もともと軽井沢は祖父や叔父の時代から勉強するために行くので、最初の頃はテレビも電話もない生活だった。
 大学を卒業するまでは、少なくとも午前中は勉強しなければならず、したがって私は夏の午前中の軽井沢というものをほとんど知らない。
 母親や叔母たちが午前中から旧軽の紀ノ国屋などに買い物に出かけるのを恨めしく思って過ごしていた。
 食事時に古いラジオでニュースを聞くだけだったので、その日下界で起こったことは、翌朝信濃毎日新聞が配達されるまでは何も知ることができなかった。
 後にテレビは置くようになり、最初の頃はNHKの長野か上田の電波が届いていたのだが、昭和39年に家の境界に沿って植えた落葉松が、当初は人の背丈ほどだったのに、いつの間にか見上げるほどの高さとなり鬱蒼と家を覆うようになってからは、何も映らなくなってしまった。
 軽井沢では、わが家のテレビ受像機はビデオやDVDを見る道具にすぎない。

 今回持って行ったのはお気に入りの、もう何回も観ている豆豆先生もの。“Mr. Bean”である。
 あのシリーズには台詞はほとんど必要ないので、英語が苦手のぼくには助かる。
 何作か観ているうちに、豆豆先生の愛車のミニには何種類かあることを発見した。あの旧ミニは、正面はミラジーノに、側面はエッセに似ている。ダイハツが、もっと旧ミニのコピーのような軽自動車を作ってくれたら、ぜひ買い替えて豆豆先生になった気分で乗り回したい。
 ただし、クルマ雑誌によると、Mr. Bean ならぬローワン・アトキンソンご本人の愛車は何とアストン・マーチンだそうだ。
 
 もう1本は、従弟が貸してくれた「ジェニーの肖像」という古い映画。1948年作、1951年日本公開とある。
 売れない絵描きのジョセフ・コットンが、NYのセントラルパークのあのスケート場(出会いがスケート場というのも泣かせる!)で、幻想の少女ジェニファ・ジョーンズと出会って恋に落ち、彼女の肖像を描きあげ、これが評価されて画壇にデビューするといったストーリー。
 最後まで彼女が実在する女性なのか、絵描きの幻想の中だけで生きているのか、観客には分からない。ジェニーが登場するシーンでは、ドビッシーの“亜麻色の髪の乙女”が流れるのだが、ディミトリー・ティオムキンの、場面ごとの編曲がなかなかいい。

 ちょうどぼくにとって、このコラムの中で書き綴っている軽井沢が、現にある軽井沢なのか、私の思い出の中だけのものなのかが分からないのと同じである。
 どちらかといえば、思い出の中の軽井沢のほうがぼくにとっては真実であって、現実の軽井沢は幻影なのだが。そういう意味で、このコラムも“軽井沢の肖像”ということができるかも知れない。

 2006/8/16

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